NVAccessがNVDA 2015.2をリリース
アクセシビリティ・エンジニア 黒澤2015年6月15日、NVAccessがNVDA 2015.2をリリースしました(主な新機能)。NVDA 2015.2ではOfficeアプリケーションとWebページにおける数式の読み上げなど、新しい機能が加わっています。筆者の手元の環境では、NVDA 2015.2正式版の数式読み上げ機能が正常に動作していない(同僚の環境では正常に動作しているようです)ため、この記事では2015.2rc2(リリース候補版2)での読み上げ結果を紹介します。なお、NVDA 2015.2のリリース情報によると2015.2と2015.2rc2に変更点はないとのことです。
NVDA 2015.2で数式を読み上げるにはDesign Science社のMath Player 4(現在はβ版)が必要です。Webページでは、NVDA 2015.2はMathMLを使った数式の読み上げに対応しています。MathMLを使うと、例えば、二次方程式()の解の公式は次のように書くことができます。
NVDA 2015.2rc2(Math Player 4 BetaとFirefox 38との組み合わせ)では、この二次方程式の解の公式は次のように読み上げられました。スピーチビューワーの出力結果を示します。
エックス イコール 分数 2 エー オーバー マイナス ビー プラス又はマイナス ルート ビー の 2 乗 マイナス 4 エー シー ルート終了 分数終了
分数の読み上げ方法は、英語(をa over bと読む)を直訳(カタカナ化)したような不自然さを受けましたが、数式としての情報を得ることができています。
数式の読み上げはNVDA 2015.2以外にもOS XやiOSのVoiceOverなどでサポートされており、数式を数式と表現しても情報が伝わるようになりつつあります。