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コラム:運用ファーストでいきましょう(第21回) |
お盆の時期を過ぎ、夏休みをお取りになった方も多くいらっしゃるかと思います。東京では、まるで梅雨が戻って来たかのような雨がちの日が続きましたけれども、皆様はいかがお過ごしになったでしょうか。私は、夏休みこそ取らなかったものの、週末の土日を使い北アルプスの西穂高岳に登って来ました。頂上からの眺望を楽しみながらいただいたお弁当の味は格別で、良い気分転換ができました。
さて、話は先月にさかのぼりますが、「EPUBアクセシビリティ診断」という新サービスを7月21日にリリースしています。EPUB(イーパブ)とは、電子書籍に代表されるデジタル出版物において、広く世界中で利用されている仕様の一つ。EPUBという言葉には耳馴染みがなくとも、電子書籍なら既に購読の経験のある方が少なくないでしょう。
EPUBアクセシビリティ診断
EPUBは国際電子出版フォーラム(IDPF)が策定してきたものですが、今年2月、そのIDPFがWeb技術の標準化を推進するW3Cに統合されました。もともと、EPUBはHTMLやCSSといったWeb技術に基づく仕様だったのですが、IDPFとW3Cの統合によってますます、出版とWebという2つの領域が融合し、新たな価値をもたらすものと期待されています。
読者の皆様においては現状、Webサイトは運用しているけれど、電子書籍の類をリリースする予定はない……というケースがおそらく大半でしょう。しかしユーザーニーズの多様化により、たとえばWebサイトで提供してきたコンテンツを電子書籍や電子カタログとして頒布、いちどダウンロードしてしまえばオフラインでも閲覧できるようにする必要性が、将来高まる可能性はあると思います。
IoT(Internet of Things)、WoT(Web of Things)といった言葉がもてはやされて久しいですが、今や、ありとあらゆる技術や物事がWeb技術を取り込みながら、あるいはWeb技術を仲立ちとして、加速度的に連携を深めながら、より一層の利便性を生み出し続けているように感じられます。IDPFとW3Cの統合は、そうした動きの最たる例だと思います。
閑話休題。当社はWeb技術を中心としたコミュニケーションデザインを強みとしていますが、今後加速するであろう出版とWebの融合を見据えてリリースしたのが、先述の「EPUBアクセシビリティ診断」です。EPUBを採用した出版物は、Webコンテンツの一種と見なすことができます。そしてアクセシビリティは、当社が長年にわたり取り組んで来た得意分野ですから、EPUB出版物のアクセシビリティニーズに対しても、確かな技術力をもってお応えできる……というわけです。
サービスリリースにあたっての私の想いは、コラムにも書かせていただいてますので、ぜひご覧ください。
「EPUBアクセシビリティ診断」サービスのリリースに寄せて
(取締役社長 木達)