2015年のWebアクセシビリティ
エグゼクティブ・フェロー 木達gihyo.jpの新春特別企画で、当社アクセシビリティ・エンジニアの黒澤剛志さんが「2015年のWebアクセシビリティ」と題し、2015年のWebアクセシビリティについて短期的な予測を寄稿しました。もしまだお読みでない方がいらっしゃいましたら、是非ご一読ください。取り上げられている話題が伝わるかと思い、以下に記事中の見出しを並べてみます。
- HTML5がW3C勧告に
- WAI-ARIA 1.1の進展
- ズーム禁止を設定しなくても
- JIS X 8341-3改正と障害者差別解消法
記事中、私にとって最も印象深かったのは3番目のトピックス、ズーム機能に関するくだりです。
Webコンテンツ制作側がアクセシビリティに影響のあるハック的な方法を使わなくても,パフォーマンスの高いコンテンツを提供できるようになりつつあります。2015年もこの流れが加速することに期待しています。
ユーザーによるズームを禁止する設定、具体的には <meta name="viewport" content="user-scalable=no"> のようなマークアップを行うことは、clickイベントの遅延回避のほかにも、意図せぬレイアウト崩れを避け、制作者が意図した通りの表示をより高い確度で提供できるといった点で、一定の合理性はあったように思います。
しかし、ユーザビリティやアクセシビリティの低下というデメリットと天秤にかけるならば、やはりズーム禁止は原則、避けるべきでしょう。書籍やWeb上の記事などでは、いまだにviewport metaにおいてcontent属性にuser-scalable=noを指定した例を掲載している(稀にそれを推奨している)ケースを見かけますが、そういった存在も今後なくなっていくことを期待したいと思います。