「CSUN 2017 参加報告セミナー」のフォローアップ
エグゼクティブ・フェロー 木達去る4月21日、当社セミナールームにてCSUN 2017 参加報告セミナーを開催しました。当日は60名近くの方々にご参加をいただき、誠にありがとうございました。また開催に多大なご協力とご支援をいただいた株式会社インフォアクシア、サイボウズ株式会社、株式会社コンセントの皆様にも、大変感謝しております。ありがとうございました。以下、当日の様子を簡単にご紹介し、またフォローアップとさせていただきます。
セミナー前半ではまず私の方から、CSUNカンファレンスの概要についてご紹介しました。3日間で420ものセッション(うち169セッションがWebに関するもの)が催されるというその数字からしても、世界最大規模といわれる所以を感じ取っていただけたのではないかと思います。各セッションで使われたスライドの一部はWebで公開されていますので、現地で参加しなかった方も、CSUN 2017 Megalist of Presentation Resources for Digital Professionalsから興味深いタイトルのものを探してみると、良いかもしれません。
また、一般的にはお目にかかることの少ないであろうアクセシブルカラオケについてもご紹介。以下のYouTube動画をご覧いただくと、手話通訳の方が身振り手振りで歌い手の方と一緒になって歌っている様子が分かるかと思います。
その後、私の参加したセッションの中から、今後特に注目を浴びるであろうW3C/WAIの活動に関連して、
の2セッションの内容をかいつまんでご紹介。CSUN開催期間中の2月28日に最初の公開草案が公開され、そしてこのCSUN 2017 参加報告セミナーの前日にアップデート版が公開されたWCAG 2.1は、順調に作業が進めば2018年6月に勧告の予定となっています。WCAGの策定を進めるAccessibility Guidelines Working Group(AG WG)には、Silver Task Force(シルバーとは「AG WG」の「AG」が元素記号でいうと銀に相当することに由来)が設置されており、WCAG 2.xの次のガイドラインとしてAG 1.0に向け動き始めています。WCAGと異なり、Webコンテンツという枠に収まらない、非常に広範に渡る、野心的とすら映るこの新しいガイドラインは、果たして2020年に勧告されるのか......要注目であります。
その後インフォアクシアの植木様より、今年のCSUNで講演された「Designing Accessible Web Content for Older Users」の内容を、日本語で紹介していただきました(スライドはhttp://bit.ly/2mL8j3nよりダウンロードが可能です)。英語でのプレゼンテーションに当日織り交ぜたジョークにも言及しながら、ユーザビリティテストを実施してきた経験から得られた、お年を召した方にとって使い易いWebサイトの要点を分かりやすく解説いただきました。ユーザーテストの被験者の方がよく発する言葉として、「面倒くさい」という日本語を英語で紹介されたのは、現地で参加された皆さんにとって興味深かったのではないかと思います。
休憩を挟んで、後半はサイボウズの小林様、コンセントの秋山様にもご登壇いただき、合計4名で今年のCSUNについて、フリートークを行いました。基本的には私が進行役、聞き手となって、どのような感想をお持ちになったか、気になったセッションにはどのようなものがあったか、展示会場で気になった製品やサービス、日本と海外のあいだで感じた違い(もしくはどの辺りはギャップを感じなかったか)、そして最後に各人が注目するWebアクセシビリティ動向について語り合いました。ちなみに、御三方が紹介してくださったセッションタイトルは、それぞれ以下になります:
- 小林氏
- 秋山氏
- 植木氏
時間が押してしまったため、十分な質疑応答の時間を確保できなかったのですが、お一人様に限って質問を受け付けたところ、CSUNに参加するための費用についてご質問をいただきました。セミナー当日は私の方から概算の金額をお伝えしましたが、ここでもう少し精度の高い金額をお伝えしますと、まず参加費が早割で460米ドル。これはワークショップへの参加を含まない、通常のセッションへの参加や展示会場を見て回るのに必要な「Attendee Registration」にかかる金額です(スピーカーは早割で380米ドルと、少し安くなります)。そして、米国サンディエゴへの航空券。私はJALの直行便を利用していますが、往復エコノミー席で128,320円でした。あとはホテル代(私は4泊しました)や飲食代等がかかりますが、個人のお好み次第というところもありますから、割愛します。おおむね、25万〜30万ほどあれば足りるのではと思います。
セミナー終了後には昨年同様、簡単な懇親会を同じビル内にあるコーヒーショップで催したのですが、あいにく私の都合がつかず最初の時間帯しか参加できなかったため、かえって一部の方にはご迷惑をおかけしてしまったようです。この場をお借りしてお詫びいたします、申し訳ありませんでした。来年また同様のセミナーを企画できそうであれば、セミナー本編と懇親会を合わせて、時間的にもう少し余裕をみて進行できるよう、また内容をじっくりご紹介できるよう、改善したいと思います。