GoogleがChromeのデベロッパーツールにDequeのaxeを採用
エグゼクティブ・フェロー 木達(この記事は、2017年9月28日に公開された記事「Google Selects Deque's axe for Chrome DevTools」の日本語訳です。Deque Systems社の許諾を得て、お届けしています。翻訳の正確性は保証いたしかねますので、必要に応じ原文を参照ください。)
GoogleのLighthouseが、axe-coreを搭載しました!
Chromeのデベロッパーツールが最近変化したことに気づきましたか?
監査パネルがLighthouseで動くようになり、そしてアクセシビリティの監査はなんと......(ドラムロールの音)Dequeの開発したaxe-coreルールエンジンが担うようになったのです!
Googleが、アクセシビリティの自動テストに用いるエンジンをaxeに置き換える検討をしていると知ったのは、今年サンディエゴで開催されたCSUN支援技術カンファレンスでのことでした。より具体的には、Chromeのデベロッパーツールにある監査パネルが新しくなり、それに搭載されるオープンソースの監査ツール「Lighthouse」で、アクセシビリティ監査を実行するエンジンに採用されるというお話でした。
axeがそのように認知され、またすべてのChromeユーザーが即座に利用することのできる監査ツールとして統合されるのは、とても刺激的なことです。アクセシビリティに加えて、監査パネルはWebサイトのパフォーマンスやベストプラクティスの採用、Progressive Web Apps(PWA)としての品質についてデータやヒントを提供します。それらは、より良いWeb開発を手助けするという、Googleが目指すゴールの一部です。またそれらは、検索結果においてそのページが何位にランク付けするかをGoogleが決めるために役立てることができるものでもあります。パフォーマンスがまさにそうですが、一部は確実に検索順位に影響します。
アクセシビリティにとっての意味とは?
これは、Googleの検索順位にアクセシビリティが影響を及ぼすようになることを意味するのでしょうか?アクセシビリティとSEOには共通する部分が多くありますから、技術的な観点からは、既に影響していると言えます。
とにかく、アクセシビリティはパフォーマンスやベストプラクティスと等しく必須であるという点で、Googleのメッセージは明らかです。
アクセシビリティ監査はあまりに基本的であるがゆえに、ブラウザの一部となったのです。
Googleはまた、アクセシビリティ監査を可能な限り取り組みやすいものにしています。まだアクセシビリティに馴染み深くない多くの開発者にとって、これは重要なことです。デベロッパーツールは、機械的に実行できる監査に限って、アクセシビリティ監査を行います。
ルールエンジンとしてaxeを採用しているからには、あくまで機械的に検知できた問題点だけが報告されます。誤検知はありません。最もよくみられる、そして最も改善が容易なアクセシビリティ上の問題点を、明確にレポートします。
デベロッパーツールを用いたアクセシビリティ監査の短所は、それだけでは十分ではないということです。Lighthouseによるアクセシビリティ監査の結果が100点満点中94点だったとしても、それは機械的な監査の結果でしかありません。実際のところは、手動でのアクセシビリティ監査を行わなければ、わかりません。
デベロッパーツールにおいて、Googleがアクセシビリティに重きを置いているのは素晴らしいことであり、もしあなたがアクセシビリティに関してこれから取り組もうとしているのであれば、デベロッパーツールはうってつけです。あなたの担当しているWebサイトで、アクセシビリティ要件を満たすことが求められているなら(あるいは単に、より高いレベルを目指してアクセシビリティやインクルーシブデザインに取り組みたいと考えているなら)、ソースを確認していただきたいと思います。
axeでアクセシビリティ監査を行う準備はできましたか?
axeのChrome向け拡張機能か、Firefox向けアドオンをダウンロードしてください。axe-coreのAPIは、GitHubで公開しています。もしあなたの勤務先でアクセシビリティ要件が定められており、まとまった分量を監査できるツールが必要ならば、WorldSpace製品群をチェックしてください。最後に、アクセシビリティについてもっと学び、専門知識を身に付けたいとお考えなら、Deque Universityにアクセスしてください。