2018年のWebアクセシビリティ
エグゼクティブ・フェロー 木達当社アクセシビリティ・エンジニアの黒澤が執筆した、2018年のWebアクセシビリティという記事が、1月5日付けで公開されました。同記事は技術評論社様の新春特別企画に寄稿させていただいたもので、黒澤は2014年から5年連続でWebアクセシビリティの動向について執筆しています。過去の黒澤の記事は本日時点でも公開されていますので(アクセシブル!)、もしご興味がございましたら今年の掲載分と併せて是非ご覧ください:
2018年のWebアクセシビリティ、最大の注目株は何と言ってもWCAG 2.1でしょう。黒澤の記事においても、その前半がWCAG 2.1への言及に割かれていますが、果たして予定通り今年6月にW3C勧告となるかどうか? それは現在公開されている最新の12月7日付け草案に対し寄せられるコメント次第でしょう。
コメントの受付期限は1月12日であり、残すところあと数日しかありませんが、WCAG 2.1を策定するW3C/WAIのAccessibility Guidelines Working Groupに日本から参加されている株式会社インフォアクシア植木氏のBlog記事、「WCAG 2.1」達成基準候補の日本語訳|ブログ|エー イレブン ワイ[WebA11y.jp]に
原則として、英語で提出する必要がありますが、日本語でもかまいません。日本をはじめ、英語圏以外からも意見や質問が少しでも多く寄せられることをワーキンググループでも期待しています。英語が苦手な方は、日本語でコメントをお送りください! あとはワーキンググループ内で私が何とかします
という大変ありがたいお申し出が記されていますので、Webアクセシビリティに興味・関心のある方、特にWCAGやJISを使ってアクセシビリティに取り組んでいらっしゃる方は是非、草案を確認のうえコメントを寄せられては、と思います。
さて、黒澤の記事では後半、「メディアのアクセシビリティ」と題し映像や音声のアクセシビリティに関する現状や将来予測に触れられていますが、もし仮に私が同じ「2018年のWebアクセシビリティ」という記事を書いたなら、後半は出版に関する動向に触れただろうと思います。
昨年2月のW3CとIDPFの統合から早くも1年が経とうとしていますが、W3C Publishing Working Groupから3つの仕様について初めての公開草案が1月4日に公開されました(Publishing WG Publishes 3 FPWDs | W3C Blog参照)。それらについてはまた記事を改めて紹介できればと考えていますが、Web技術の出版への応用が2018年にはいよいよ本格化し、それに伴って電子書籍のアクセシビリティについても改善の機運が一層高まるものと期待しています。