EPUBアクセシビリティ検証ツール、Aceのバージョン1.0がリリース
エグゼクティブ・フェロー 木達DAISYコンソーシアムが、無料で使用できるオープンソースのEPUBアクセシビリティ検証ツール、Aceのバージョン1.0をリリースしました。Aceは、EPUB Accessibility 1.0に対する完全な準拠を検証するものではありませんが、しかし検証の一部を自動化・効率化してくれるものです。
Aceは、アクセシビリティ検証のためにaxeを内蔵しています。axeについては先日、Dequeのアクセシビリティライブラリー、axe-coreが100万ダウンロードを達成という記事で言及しましたが、Deque Systems社がオープンソースで開発しているもので、Chromeの開発者ツールにも組み込まれています。
閑話休題。Aceは、Node.JSのバージョン6.4.0以上がインストールされた環境において、npmコマンドで簡単にインストールすることができます。検証対象となるEPUBファイルと、検証結果の保存先を指定して、コマンドラインから実行するのが基本的な使用方法です。
Aceは、HTMLフォーマットとJSONフォーマットの2種類で検証結果を出力できます。以下は、HTMLフォーマットの検証結果のスクリーンショットですが、違反(Violations)、メタデータ(Metadata)、アウトライン(Outlines)、画像(Images)という4つのタブが画面上部に並んでいます:
違反のタブにおいては、違反のインパクト(Critical / Serious / Moderate / Minor)ごとや、EPUBコンテンツに同梱されているファイルごとなど、さまざまな条件で違反事項を絞り込むことができます。メタデータのタブでは、EPUBコンテンツに発見されたメタデータを確認できます。アウトラインのタブでは、EPUBコンテンツに実装されているアウトラインが3種類、抽出・提示されます。画像のタブでは、含まれるすべての画像についてalt属性値やaria-describedby属性値などを一覧できます。
より詳しくは、Ace, by DAISYやAccessibility Checker | Inclusive Publishingを是非ご覧ください。
[ 2018-02-01 追記 ] インストールから実際に検証結果を開くまで、を紹介する動画が公開されていました。英語ですが、字幕も利用できます: