リリースの迫るaxe 3.0について知っておくべきこと
エグゼクティブ・フェロー 木達(この記事は、2018年2月26日に公開された記事「axe 3.0 is Coming - Here's What You Should Know」の日本語訳です。Deque Systems社の許諾を得て、お届けしています。翻訳の正確性は保証いたしかねますので、必要に応じ原文を参照ください。)
Dequeの数々の製品において、アクセシビリティ・エンジンとして採用されているaxe-coreは、近々3度目のメジャーリリースを迎えます。今年3月に予定されている同リリースでは、昨今Web開発のあり方を急速に変えつつある技術、Shadow DOMをサポートします。Shadow DOMは、Web Componentsを構成する3つの仕様のひとつ。Dequeは、この新しいWeb標準をサポートしたアクセシビリティチェックツールを提供する、唯一のベンダーです。Shadow DOMをサポートしなければ、同技術を使用している箇所を無視してWebページのアクセシビリティをチェックすることになります。バージョン3.0では劇的な高速化もなされており、以前のバージョンと比べ80%の高速化が達成できます。
スムースなアップグレードのために、あらかじめ以下の要点をおさえておいてください:
- ご都合の良い時期にアップグレードしていただけるよう、すべてのWorldSpace製品においてaxe 2.xのサポートを当面の間は継続します。ComplyやAttest HTMLをバージョンアップしても、古いバージョンのaxe-coreを使用していただくことが可能です。
- Shadow DOMを使用している箇所をチェックできるよう、カスタムルールはアップデートする必要があります。
- axe 3.0に対応するため、WorldSpace Attestのすべてのツールはバージョン2.0をリリースの予定です。バージョン2.xのWorldSpace Attestツールには、axe 2.1.0(ないしその後継バージョン)と互換性を持たせる予定です。バージョン1.xのWorldSpace Attestツールは、axe 3.0に対応しません。
- axe 3.0に対応したWorldSpace Complyは2018年の第二四半期にリリースしますが、axe 2.1(ないしその後継バージョン)との互換性は維持します。
- axe 3.0に対応したWorldSpace Assureは、2018年4月にリリースの予定です。
技術的な詳細
axe 3.0とAttest HTMLツールのバージョン2.0によって、APIに2つの大きな変更が生じます。axeまたはAttestを使ってインテグレーションやレポーティングを行っているツールでは、以下の変更点についてテストをしていただく必要があります。
- axe 2.1 / Attest 1.1で非推奨となったa11yCheck()メソッドコールは、削除されました。代わりにrun()メソッドを使ってください。
- Shadow DOMのセレクタに対応すべく、axeのresultsで使われるnode.targetプロパティに手が加えられました。Shadow DOMを含むページでは、セレクタの配列が入れ子になります。詳しくは、https://github.com/dequelabs/axe-core/blob/develop/doc/API.md#results-objectをご覧ください。
最後に
これまで通り最新情報はDeque Blogをチェックしていただくか、WorldSpace製品をお使いであれば、axe 3.0リリースが近づきましたら営業担当の者にご連絡ください。