WCAG 2.1の勧告案が公開
エグゼクティブ・フェロー 木達昨日、当社セミナールームで開催したCSUN 2018 参加報告セミナーの場でもたびたび話題に上がったWCAG 2.1についてですが、昨日付けで勧告案(PR:Proposed Recommendation)が公開されました。WCAGとはWeb Content Accessibility Guidelinesの略語であり、W3C/WAIの策定する、Webコンテンツのためのアクセシビリティガイドラインのことです。
現在、広く世界中で利用されているのは2008年に勧告されたWCAG 2.0(ウェブアクセシビリティ基盤委員会の公開する日本語訳があります)ですが、新たにモバイル、弱視、認知障害という3つの領域に関するガイドラインを加え、10年ぶりにアップデートされようとしています。昨日公開されたPRは、言わば勧告の一歩手前という状態まで準備が進んでいることを意味し、以後も順調に進めばWCAG 2.1 timeline/Detailsにある通り、6月5日に正式に勧告されるかもしれません。
今年1月30日に公開された勧告候補(CR:Candidate Recommendation)からの変更点は、PRのA.1 Significant editorial changes since the Candidate Recommendationで確認することができます。主要な変更点として8項目が挙げられていますが、記載の場所や表現が変更されているものの、CRから達成基準の増減は無いようです。従い、WCAG 2.0に対し新たに2.1で加わる達成基準は、総計17(レベルA:5、レベルAA:7、レベルAAA:5)でおそらく確定でしょう。
PRの主たる目的は、W3Cの会員組織からのフィードバックを募ることです。フィードバックの期限は5月22日に設定されており、W3C会員は専用のフォームから、一般の方はpublic-agwg-comments@w3.orgメーリングリストにメール、もしくはW3C WCAG 2.1 GitHubリポジトリにイシューを登録することで、意見を送ることができます。