「CSUN 2018 参加報告セミナー」のフォローアップ 第一弾
エグゼクティブ・フェロー 木達去る4月24日、当社セミナールームにてCSUN 2018 参加報告セミナーを開催しました。あらかじめ82名の方々からお申し込みをいただき、当日は72名の方々にご参加いただきました。参加された皆さま、ありがとうございました。また開催に多大なご協力とご支援をいただいた株式会社インフォアクシア、サイボウズ株式会社、株式会社コンセントの皆さまにも、この場を借りて御礼申し上げます。ありがとうございました。
本記事ではフォローアップの第一弾として、セミナーの前半部分である参加セッション報告につき私個人の感想を交えつつ、登壇者の皆さんが使用されたスライドをご紹介します。第二段では、パネルディスカッションで語られた内容や、アンケートの集計結果などをご紹介の予定です。
当社 木達の発表
私からは、まず初めにCSUNとは、ということでカンファレンスの開催場所やスケジュール、会場内の様子などについて簡単に写真をご覧いただきながら紹介をしました。その後、聴講した中からSlideShareでスライドが公開されている以下の2つのセッションについて、内容を紹介しました。
- Consistently Accessible: Building Better Websites with Pattern Libraries
- Mobile Accessibility in WCAG 2.1 and Beyond
株式会社インフォアクシア 植木氏の発表
植木氏からはまず、W3C/WAIで策定の進むアクセシビリティガイドライン、WCAG 2.1とSilverについて報告がありました。Accessibility Guidelines Working Group(AG WG)のメンバーでもいらっしゃる植木氏は、作業に一部遅れが出ており、勧告は7月にずれ込むかもしれないが夏までには......とお話しされていました。折しもセミナー当日に勧告案が公開されましたが、今後の推移に注目です。
次いで、現地で私も参加していたセッション、Amadeus and American Airlines: From User Tests to an Inclusive Websiteについてお話しされました。障害当事者を被験者としたユーザビリティテストを継続的改善のプロセスに取り込んでいる点は、植木氏も感心されていました。
最後にアクセシビリティのチェックツール、JAWS Inspectについて紹介されました。残念ながらデモはうまく動かなかったのですが、発表されてからまだ日が浅いこともあり、今後が楽しみなツールであります。と同時に、英語圏においてアクセシビリティチェックツールはいよいよ群雄割拠の時代という印象を受けました。
サイボウズ株式会社 小林氏の発表
小林氏は、参加者や会場の様子について動画を交えて紹介された後、ご自身が参加された中から以下の2つのセッションについて、内容を紹介されました。
- User Stories for Including Accessibility in an Agile Environment
- Let's Dig into 5 New WCAG 2.1 Success Criteria with Audience Participation
小林氏が今年の注目株として挙げていたビデオゲームやVoice UIを用いたスマートスピーカーは、来年のCSUNに向けてますます、進化が期待される分野のように感じました。セミナー終了後の懇親会の場でとある方から伺ったお話によれば、アメリカではゲームの分野でも法律の影響が少なくないそうです。
株式会社コンセント 秋山氏の発表
小林氏と同じく、2年連続・2度目でCSUNに参加された秋山氏は、3日間の振り返りをしつつ、以下の2つのセッションについて内容を紹介されました。
- A11y Wars: Rethinking industry-Wide Interpretation Differences
- Beyond Compliance: Designing & Measuring Web Experiences for Users over 65
スライドにもある通り、2つのうち後者、高齢者向けのアクセシビリティに関するセッションでは昨年のInclusive Design 24での植木氏の講演、(4) Designing Accessible Web Content for Older Users - Makoto Ueki : #ID24 2017 - YouTubeが引き合いに出されていたのは素晴らしいですね。超高齢化社会に突入して久しい日本に生きる一人として、もっと高齢者対応という文脈からもアクセシビリティを推進していかなければ......と思いました。