NVDAをより快適に使用するためのアドオン
アクセシビリティ・エンジニア 辻近年私は、会社と自宅の両方で、無料でオープンソースのWindows用スクリーン・リーダーであるNVDAをメインのスクリーン・リーダーとして使用しています。
NVDAの素晴らしいところは、私のような実際のスクリーン・リーダーユーザーだけでなく、Webやアプリケーションなどを制作する方がスクリーン・リーダーで自身のコンテンツがどのように読み上げられるかを確認するためのツールとして活用できるところです。
本日は、このNVDAをもっと便利に使っていただくためのアドオンをいくつかご紹介します。
NVDAの機能を拡張するアドオンは、NVDA コミュニティによるアドオン紹介で公開されており、ダウンロードしたファイルを実行することでNVDAにインストールして使用することができます。
Speech History
Speech Historyでは、NVDAが読み上げた内容をクリップボードにコピーすることができます。 Shift+F11とShift+F12キーを押して読み上げ履歴の間を移動し、コピーしたい内容が読まれたところでF12キーを押します。 「ピー」というビープ音が聞こえた後、エディタなどにクリップボードの内容を貼り付ければ耳で聞いただけではわかりにくかった内容を文字として確認することができます。
例えば、一度聞いただけでは覚えられないのに、OKボタンを押すと閉じてしまうようなダイアログの内容も、このアドオンがあれば後でゆっくり参照することができるのでとても便利です。
Focus Highlight
Focus HighlightはNVDAのナビゲーターオブジェクトや、フォーカスのあるオブジェクト・コントロールの場所を、色のついた長方形で強調して表示できるアドオンで、画面の見えにくい人、晴眼の指導者、開発者にとって有用です。
私は、デモンストレーションを行うPCにこのアドオンをインストールしておき、お客様に私がNVDAで読み上げている場所を画面上で確認していただくときに活用しています。
Mozilla Apps Enhancements
Mozilla Apps EnhancementsはMozillaのアプリケーションをより使いやすくできるアドオンです。
私が特に便利だと感じているのは、Thunderbirdでメッセージの添付ファイルの一覧にフォーカスを移動する「Ctrl+Shift+A」という操作と、メッセージリストのコラムの順序を変更する「NVDA (テンキー上の0等)+H」という操作です。
特に後者は、これまでキー操作では難しかったThunderbirdのメッセージ一覧での読み上げ順序を変更するときに便利に使用しています。
今回ご紹介したのはアドオンの一例ですが、ブラウザをカスタマイズするのと同じように、スクリーン・リーダーもニーズに合わせて機能拡張できることがとても素晴らしいと思います。 アドオン紹介のページで、ご自身のNVDAの使用方法に合った便利なアドオンを探してみてはいかがでしょうか?