いちスクリーン・リーダーユーザーのFirefox最新版の利用環境について
アクセシビリティ・エンジニア 辻私は、昨年11月にFirefox 57.0とスクリーン・リーダーの読み上げについてという記事を書いて以降、数日前までFirefoxの延長サポート版を使い続けてきました。
私が普段使用しているアドオンの中に最新版のFirefoxでは利用できないものが少なからずあったこと、仕事で使用している一部のWebアプリケーションのフォームが、NVDAとの組み合わせで意図したとおりに読み上げられなかったことなども相まって、これまで特に仕事の場面では最新版のFirefoxを避けていました。
ところが先日、私が愛用しているアドオン「Tab Mix Plus」で便利だと感じている以下の3つの機能がFirefox 61.0.2では高度な設定を変更することで実現できることを知り、仕事の場面でも積極的にFirefoxの最新版を使っていくことにしました。
- ロケーションバーを別のタブに開く機能
- ブックマークを別のタブに開く機能
- 最後のタブを閉じてもFirefoxのウインドウを閉じないようにする機能
実際に変更した設定項目
それでは、私がFirefox最新版を利用するために変更した高度な設定の項目を具体的に紹介します。
現在のところ、私が設定を変更したFirefoxは問題なく動作しておりますが、これらの設定を変更することで予期しない問題が発生する可能性もあります。
Firefox の設定エディターもご確認いただき、設定を変更いただく際は十分にご注意ください。
Firefoxの高度な設定を変更するには、ロケーションバーに「about:config」と入力してEnterキーを押します。
ロケーションバーを別のタブに開く
私は、ページを閲覧中にロケーションバーから別のページを開いたり、何かを検索したりしたときの検索結果が新しいタブに表示された方が便利だと考えています。
この設定を変更すると、例えば調べ物をしているときなど、タブを切り替えることで元のページと検索結果の間を行き来できます。
設定エディターで以下の項目を検索し、Enterキーを押して値を「True」に変更します。
browser.urlbar.openintab
ブックマークを別のタブに開く
ブックマークしておいたページも、ロケーションバーと同じように別のタブに開けると便利です。
この設定を変更するには以下の項目を検索し、Enterキーを押して値を「True」に変更します。
browser.tabs.loadBookmarksInTabs
最後のタブを閉じてもFirefoxのウインドウを閉じなくする
私はCtrl+Wを押して複数のタブを閉じているとき、誤ってブラウザーのウインドウを閉じてしまうことがよくあります。
もちろん、Firefoxを立ち上げ直せば問題はないのですが、できれば最後のタブが閉じてしまってもウインドウが残っていると便利だなと感じています。
この設定を変更するには以下の項目を検索し、Enterキーを押して値を「True」に変更します。
browser.tabs.closeWindowWithLastTab
今回は最新版Firefoxを私にとって使いやすくするための設定を紹介しましたが、この設定変更はスクリーン・リーダーを使って問題なく行うことができます。
NVDA等のスクリーン・リーダーでFirefoxを利用している方で、同じような問題で最新版のFirefoxを使用することを諦めていた方のお役に立てれば幸いです。