2019年のWebアクセシビリティ
エグゼクティブ・フェロー 木達技術評論社様よりオファーをいただき、当社アクセシビリティ・エンジニアの黒澤が、新春特別企画に「2019年のWebアクセシビリティ」という記事を寄稿しました。まだお読みでない方は、ご一読いただければ幸いです。ちなみに同種の寄稿としては2014年以来、6年連続の6度目となります。ご参考までに、過去の記事を最近のものから順に列挙します:
- 2018年のWebアクセシビリティ:新春特別企画|gihyo.jp ... 技術評論社
- 2017年のWebアクセシビリティ:新春特別企画|gihyo.jp ... 技術評論社
- 2016年のWebアクセシビリティ:新春特別企画|gihyo.jp ... 技術評論社
- 2015年のWebアクセシビリティ:新春特別企画|gihyo.jp ... 技術評論社
- 2014年のWebアクセシビリティ:新春特別企画|gihyo.jp ... 技術評論社
寄稿に際しては、広報部門による内容確認や校正......の前に、都度アクセシビリティ部内でのレビュー期間を設け、皆でより良い記事にしようという取り組みをしています。こと「2019年のWebアクセシビリティ」に向けては、私からお願いをして、標準化の動向やその実装状況のみならず、周辺動向にも触れていただきました。それが記事の末尾にある「リスクかチャンスか」というセクションです。その出だしから少し引用します:
さて,近年,米国ではアクセシブルでないWebサイトに対する訴訟が増加しています。数字の取り方にもよりますが,2018年上半期の訴訟件数(1053)だけで2017年の件数(814)を越えています。アクセシビリティに取り組まなければ,個人が尊厳をもって生きる権利を何らかの意味で否定していると捉えられかねないと意識すべきでしょう。
つい最近でも、歌手のビヨンセさんのWebサイトがアクセシブルでないことを理由に全盲のファンから訴訟を起こされていましたが(Beyonce's Parkwood Entertainment Sued | Hollywood Reporter参照)、当社で同様の訴訟への対応をお手伝いさせていただくケースが昨年発生したことからも、手段の良し悪しはさておき、Webアクセシビリティを訴訟によって高めようとする動きの高まりを感じます。たとえ日本の企業であってもビジネスを、Webサイトをグローバルに展開されているならば、その高まりから逃れることは困難でありましょう。
最後に黒澤らしい、件の記事の末尾にある言葉を引用したいと思います:
やって当たり前のアクセシビリティの確保,リスクと捉えるか更なるイノベーションのチャンスと捉えるか。みなさまの2019年はどちらでしょうか。