WebAIMが8回目のスクリーン・リーダーに関する調査を開始
エグゼクティブ・フェロー 木達都合8回目となるスクリーン・リーダーに関するアンケート調査を、WebAIMが開始していました(WebAIM: Screen Reader User Survey #8)。回答期限は今年9月13日となっており、同月中には調査結果の概要が公開されるとのことです。
同調査は、当アクセシビリティBlogでもたびたび触れてきたもので、前回、2017年10月に実施したときにも質問項目を意訳してご紹介しました(WebAIMが7回目のスクリーン・リーダーに関する調査を開始参照)。8回目の質問項目の多くは7回目と重複していますが、後半には違いも少なからず認められます。
例えば22番目の質問。Which of the following do you think is the primary reason that many developers do not create accessible web sites?
とあり、開発者がアクセシブルなWebサイトを制作しない主たる理由を4つの選択肢(気づきの欠如、スキル/知識の欠如、見た目や機能への影響、予算/リソース不足)から選ぶことを求めています。
29番目の質問も興味深いです。How comfortable would you be with allowing web sites (and thus web site owners) to detect whether you are using a screen reader if doing so resulted in a more accessible experience?
とあって、スクリーン・リーダーを使用していることをWebサイトないしその運営者に知らせることがよりアクセシブルな体験をもたらす前提において、知らせることにどの程度寛容かをたずねています。この質問の背景には、先だってAppleが支援技術の有効/無効を検知する機能を一度は導入したものの取り下げ仕様を変更した経緯があるように思います(かつてのAccessibility Events、現在のAccessibility Object Model機能)。
また31番目、32番目の質問ではそれぞれ、PDF文書やWord文書のアクセシビリティについて、重大な問題に遭遇する程度をたずねています。これらも前回には無かった質問です。
調査結果の概要が公開されましたら、またご紹介したいと思います。