WCAG 3.0の草案が更新
アクセシビリティ・エンジニア 中村(直)執筆時点ではW3Cから公式のアナウンスは出ていませんが、W3C Accessibility Guidelines (WCAG) 3.0のWorking Draft(作業草案)が2021年6月8日付けで更新されました。(前回の草案についてはW3C Accessibility Guidelines (WCAG) 3.0の初期公開作業草案が発行されましたを参照ください)
この草案にはChange logのセクションが存在するのですが、なぜか内容が空のままというやや理解に苦しむ状況になっています。その一方でW3C WAIにあるWCAG 3 Introductionのページには、今回の草案更新による変更点が簡単に説明されています。
The Working Draft published on 8 June 2021 has minor changes: editorial fixes, extended Acknowledgements section, and information moved from the introduction to a separate informative document: Explainer for W3C Accessibility Guidelines (WCAG) 3.0.
これによれば、今回の変更点はマイナーな編集上の変更とのことです。実際に前回の草案と差分を筆者が調べたところ、前回の草案にあったセクションの一部がExplainer for W3C Accessibility Guidelines (WCAG) 3.0(以下Explainer)に移動した点がもっとも大きな変更となっていました。つまるところ、WCAG 3.0自身の文章量は減っていることになります。
さて、このExplainerの目的についてですが、Status of This Documentのセクションに以下の記載があるように、
It is not normative (informative) and is not expected to become a W3C Recommendation. It provides background on W3C Accessibility Guidelines (WCAG) 3.0.
WCAG 3.0の背景情報を提供する位置付けになっています。このExplainerの内容については、筆者も斜め読み程度しかできていませんが、単純にWCAG 3.0から移動したものもあれば、Requirements for WCAG 3.0由来の文章も混じっているようです。いずれにせよ、WCAG 3.0の背景と現時点でのWCAG 3.0の枠組みを理解するためのまとまった文書であるということは言えそうです。