WCAG 2.1と解説書、達成方法集の更新について(2021年9月)
アクセシビリティ・エンジニア 中村(直)WAIC(ウェブアクセシビリティ基盤委員会)から告知されているように、WCAG 2.1とWCAG 2.1解説書、達成方法集の更新がされています(WCAG 2.1 および関連文書 更新のお知らせ)。
前回の7月の更新から(WCAG 2.1達成方法集の更新について(2021年7月)も参照ください)の更新内容について簡単に触れたいと思います。
まずWCAG 2.1については編集上の軽微な修正にとどまります。訳注としてWAICが提供する翻訳文書のライセンスが(関連文書を含め)明示されるようになっています。二次利用の条件が明記されたことによって、安心して活用できるようになったのではないかと思います。
WCAG 2.1解説書については、表紙こそ2019年3月版のままですが、ほとんどのページ、具体的には達成基準 1.4.11: 非テキストのコントラストを理解すると達成基準 2.5.3: 名前 (name) のラベルを理解する以外のすべてのページが2020年12月版をもとにした翻訳に更新されています。今年に入って更新されている原文により近い解説書が提供されている状況になっていると言えるでしょう。
WCAG 2.1 達成方法集については、未翻訳だったHで始まるHTMLに関する達成方法集の全部と、(WAICのお知らせにはありませんが)Cで始まるCSSに関する達成方法集の全部が翻訳されています。達成方法集の全体のボリュームが大きいために未翻訳のページが相当数残っているものの、引き続き未翻訳のページについて翻訳が進められていくことでしょう。
最後に翻訳に誤りを見つけた、翻訳の協力をしたいという場合の連絡先についてWAICのお知らせに記載されています。詳細についてはWCAG 2.1 および関連文書 更新のお知らせを参照ください。