代替テキストはなぜ簡潔にすべきか
アクセシビリティ・エンジニア 大塚最近では、Twitterで画像に含まれる代替テキストを表示できるようになる(Twitter Accessibilityのツイート、ITmediaの記事)など、「代替テキスト」という言葉や機能が、Web制作者以外の方にも少しずつではありますが認知され始めているように感じます。代替テキストは、画像に追加することができるテキストによる説明で、適切な代替テキストが設定されていると、画像の確認が困難なスクリーンリーダーユーザーが画像に関する情報を得る際に役立ちます。
そんな代替テキストについて、設定する際に心がけるポイントとして「簡潔な内容のテキストを設定する」というものが挙げられることが多くあります(画像のアクセシビリティを向上させる方法、H37: img 要素の alt 属性を使用する | WCAG 2.0 達成方法集)。では、なぜ簡潔である必要があるのでしょうか。
代替テキストが長すぎてしまうと、スクリーンリーダーによってはすべてが一度に読み上げられてしまい、内容が把握しづらくなるというのが大きな理由です。例えば、iOSのVoiceOverでは、画像にフォーカスを移動すると、設定された代替テキストをまとめて読み上げます。そのため、内容の一部を聞き逃してしまった場合、再び長文の読み上げを聞き直す必要があります。
その一方で、代替テキストは画像の内容をテキストで伝えるためのものであり、文字数だけにとらわれてしまうのはあまり望ましくありません(There is no character limit for "alt text": Myth Debunked! · Eric Eggert)。リンク先にも書かれているように、長文の代替テキストが設定されていたとしても、JAWSや、リンク先では言及されていませんがNVDAなどのWindowsで動作する一部のスクリーンリーダーでは、代替テキストを一定の文字数ごとに分割して読み上げさせることができます。とはいえ、文字数が増えればそれだけ多く分割されたものを確認する必要が出てしまうため、確認が煩雑になってしまいます。
代替テキストを設定する際には、できる限り簡潔にすることを意識することが重要です。また、WebページやBlogなどで代替テキストを作成する際、伝えるべき情報が多くなったり、情報を表やリストなどの形式で伝えられる場合は、本文に記載することも検討するべきでしょう。