State of CSS 2023に見るアクセシビリティ関連機能
エグゼクティブ・フェロー 木達今年3月、TechFeed Experts Night#14 〜 絶対役立つ!最先端のCSS総ざらいにおいて「State of CSS 2022に見るアクセシビリティ関連機能」と題したライトニングトークを行いました。
使用したスライドや録画は「TechFeed Experts Night#14」に登壇でご覧になれますが、そのなかで発表したアクセシビリティ関連機能の認知度の低さは、以下のランキングの通りでした。括弧内の数値は、「聞いたことがない(Never heard of it)」と回答した人の割合です。
- 第1位:forced-colors(91.2%)
- 第2位:color-contrast()(73%)
- 第3位:prefers-contrast(66.9%)
- 第4位:color-scheme(60.8%)
- 第5位:prefers-reduced-data(60.3%)
- 第6位::focus-visible(37%)
- 第7位:prefers-reduced-motion(30.6%)
- 第8位:prefers-color-scheme(27.2%)
先日、State of CSS 2023の結果が公開されましたので、同様に2023年版で取り上げられたアクセシビリティ機能につき認知度の低さランキングを作ってみました(括弧内の数値は「聞いたことがない」人の割合)。
- 第1位:forced-colors(84.6%、前回から6.6%改善)
- 第2位:prefers-reduced-data(56.3%、前回から4%改善)
- 第3位:prefers-contrast(52.7%、前回から14.2%改善)
- 第4位:color-scheme(41.6%、前回から19.2%改善)
- 第5位::focus-visible(30.1%、前回から6.9%改善)
- 第6位:prefers-reduced-motion(27.7%、前回から2.9%改善)
- 第7位:prefers-color-scheme(19.8%、前回から7.4%改善)
2022年版の結果と比べ、順位に目立った変化はなかったものの、すべての機能において認知度は改善されているようです。とりわけ、prefers-contrastとcolor-schemeの2つが、ほかと比べ認知度が顕著に上がっているのが興味深いです。
なお、State of CSS 2023のサイトでSara Soueidan氏が2023年の一押しに選んだcolor-contrast()改めcontrast-color()ですが、調査項目からは外されています。理由は明記されていませんが、State of CSS 2023 Questions Feedback · Issue #84 · Devographics/surveysでのやり取りから、経緯は把握できます。仕様に書かれている通り「Not Ready For Implementation」、実装には時期尚早というステータスですし、妥当な判断だと思いました。