ハイコントラスト表示にまつわるMicrosoft固有のCSS機能が廃止へ
エグゼクティブ・フェロー 木達ハイコントラスト表示については以前、ハイコントラスト表示とメディアクエリーという記事を書きましたが、それに関連して、-ms-high-contrast
メディアクエリーと-ms-high-contrast-adjust
プロパティの2つのCSS機能を非推奨としていく旨が、Windows Blogsに掲載されました(Deprecating support for -ms-high-contrast and -ms-high-contrast-adjust)。Microsoft Edgeのバージョン138でのサポート廃止に向け、徐々に非推奨としていくとのことです。
両者に代わって使用が推奨されるのが、それぞれforced-colors
メディアクエリーとforced-color-adjust
プロパティです。ハイコントラスト表示とは意味合いが異なりますが、それぞれ強制カラーモードが有効かどうかを検出したり、あるいは特定の要素に対する強制カラーモードの適用を除外したりすることのできる、Web標準です。前者はMedia Queries Level 5、後者はColor Adjustment Module Level 1で標準化が進められています。
強制カラーモードに対するWebサイトでの配慮はあまり一般的ではない認識でおり、そもそもベンダー接頭辞付きのCSS機能というのは積極的に使うべき存在ではありませんから、今回のアナウンスの影響は大きなものではないと私は思います。個人的には、ハイコントラストと強制カラーモードという、似て非なる言い回しを使い分ける必要がなくなる(強制カラーモード、に一本化される)点で、前向きな動きと捉えています。
ちなみにCan I useで確認しますと、forced-colors
メディアクエリーはすべてのメジャーブラウザでサポート済みの状況(CSS at-rule: `@media`: `forced-colors` media feature | Can I use)、forced-color-adjust
プロパティについてはSafariを除くメジャーブラウザでサポート済み、といった状況です(CSS property: forced-color-adjust | Can I use)。