Be My EyesがAppleVisを買収
アクセシビリティ・エンジニア 大塚Appleのアクセシビリティ関連の情報を扱うサイト、AppleVisがBe My Eyesに買収されるようです(AppleVis Partners with Be My Eyes; Website to Reopen September 9, 2024、Be My Eyes to Acquire AppleVis, to Secure its Future and to Invest for Growth)。AppleVisは、VoiceOverの新機能やバグ、アクセシブルなアプリなど、Appleのアクセシビリティ関連の情報を広く扱うWebサイトで、英語圏の視覚障害者のユーザーが中心となって情報の投稿やコメントを行っています。
私自身は情報を投稿したことがないのですが、iPhoneを本格的に使い始めた高校時代に、X(旧Twitter)でAppleVisの記事へ言及している投稿を見かけたことをきっかけに、情報収集に利用するようになりました。新バージョンのiOSがリリースされた際には、VoiceOverに関連した新機能の利用方法や不具合への対処方法をいち早く知ることができ、サイトを閲覧し始めた当時と比べ日本語でのVoiceOverに関する情報発信が増えた今でも、よく閲覧しています。
買収が発表される前、創設者の健康問題やボランティアでのサイト運営への負担といった理由から、創設者の引退とサイトの閉鎖が決定していました。しかし、Webサイト存続を望む声は多く、視覚障害者向けのボランティア通話アプリを提供するBe My Eyesが買収とサイト運営の継続を行うことが発表されました(サイト閉鎖の経緯や買収の詳細については、[Updated: Saved from closure] The End of an Era: Announcing the Closure of AppleVisを参照してください)。現状、サイトへの記事の追加やコメントはできませんが、Appleの新製品の発表に合わせ、9月9日に利用可能になるとのことです。
閉鎖決定の記事を読んだときには、創設者のさまざまな事情を考えると致し方ない面があると思いつつ、VoiceOverについての重要な情報源がなくなってしまうことが残念でした。しかし、このような形でWebサイトが前向きに運営され続けることが決まり、安心しました。今後もAppleのアクセシビリティに関する貴重な情報源として活用していきたいですし、気になった情報は当Blogでも紹介できればと思います。