TPAC 2024時点のAccessibility Guidelines (AG) Working Groupの近況
アクセシビリティ・エンジニア 中村(直)W3Cの年に一度の技術カンファレンスであるTPAC 2024にあわせて、WCAG 2.2やWCAG 3を策定・開発しているAccessibility Guidelines Working Group (AGWG)がYouTubeでAccessibility Guidelines (AG) Working Group updateという約7分の動画を先日公開しました。
YouTubeに記載されている概要としては、
Since TPAC 2023, the group has published the exploratory guidance list, and the WCAG 2 Task Force has sped up updates to the WCAG 2 documentation. In this video, the co-chairs present WCAG 3 goals, including updating guidelines for new technologies, addressing user needs, providing guidance, defining clear testing, supporting flexible conformance, and emphasizing research.
訳すとこんなところでしょうか:
TPAC 2023以降、AGWGはexploratory(探索的)ガイダンスのリストを公開し、WCAG 2タスクフォースはWCAG 2文書の更新を加速しました。このビデオでは、共同議長がWCAG 3の目標を紹介します。これには、新しい技術のためのガイドラインの更新、ユーザーのニーズへの対応、ガイダンスの提供、明確なテストの定義、柔軟な適合性のサポート、そして研究の強調が含まれます。
詳細な内容は元動画を見ていただくこととして、ざっくりと要点を抜き出すと次のような感じです。
- 現在のAGWGのCharter(憲章)の目標の説明
- WCAG 3 Timelineの説明
- おおむねタイムラインに沿って進行しているとのこと
- 5月に更新したWCAG 3の草案でexploratory(探索的)ガイダンスのリストを公開
- 2024年のGAADにあわせたWCAG 3.0の更新も参照してください
- 今後のスケジュールとしては、来年のCSUN、TPACをマイルストーンにしているようです
- WCAG 2タスクフォース(WCAG 2.x Backlog Task Force)の取り組み
- 約200件のissueを解決とのこと(Charter開始以来ということなので、この1年でということに)
- WCAG 2.1解説書でリンク切れを見つけてから提出したPull Requestが公開ページに反映されるまでの話にも書きましたが、筆者も少し協力しています
- WCAG2ICTの公開
- WCAG2ICTは、簡単にいえば文書やソフトウェアにWCAGを適用する方法について述べている文書です。
- 詳しくはWCAG2ICT Overviewを参照してください
- COGAやMobile Accessibilityタスクフォースについても少し言及
個人的には特に目新しいものはありませんでしたが、AGWGが今何をしているのか、向こう1年で何をしようとしているのかが端的にまとまっていると感じました。