WAICサイトでWCAG 2.2 解説書の一部が公開されました
アクセシビリティ・エンジニア 中村(直)WAIC(ウェブアクセシビリティ基盤委員会)からのWCAG 2.2 解説書 一部公開のお知らせのとおり、WCAG 2.2の理解に欠かせない、Understanding WCAG 2.2の翻訳であるWCAG 2.2解説書が公開されました。
今回公開されたのは、WCAG 2.2で新たに追加された9つの達成基準に関するものです。WCAG 2.1から存在する達成基準については、まだ翻訳されていない状態ですが、注記の形でWCAG 2.1解説書へのリンクが提示されています。
WAICサイトで既に公開されているWCAG 2.1解説書と比較して、大きく目に付くところとしては、ページのデザインが変わっているところでしょうか。これは、翻訳元であるUnderstanding WCAG 2.2のデザインが旧来のものから変更されていることによります。また、「要約」のセクションが追加されているのも目に付きます。たとえば、解説書 達成基準 3.2.6: 一貫したヘルプ (レベル A)では、次のような内容になっています。
目標
ヘルプ及びサポートを見つけやすくする。
何をすればよいか
ヘルプが複数のページにある場合は、同じ場所にヘルプを配置する。
なぜそれが重要か
同じ場所にあれば、ヘルプを必要とする人は、より簡単に見つけることができる。
どういう達成基準なのかが端的に説明されており、あまり技術に詳しくない人でも理解しやすいような工夫が取り入れられています。
また、よくよくページを読んでいくと、「達成方法」という名詞が「テクニック」に置き換えられているのに気付きます。これは、達成基準(success criteria)と密に紐付いてしまっているのではないかという意見もあって、techniqueをそのままカタカナで訳出を試みているものです。まだ翻訳がされていませんが、Techniques for WCAG 2.2の日本語訳のタイトルは、「WCAG 2.2達成方法集」ではなく、「WCAG 2.2テクニック集」として提供されると思われます。
いずれにせよ、WCAG 2.2解説書の大半はまだ翻訳されていません。筆者としても、引き続きWCAG 2.2解説書の翻訳に貢献していく所存です。