2025年のWebアクセシビリティ
エグゼクティブ・フェロー 木達当社アクセシビリティ・エンジニアで本Blogの著者でもある中村 直樹が、gihyo.jpに「2025年のWebアクセシビリティ」と題した記事を寄稿しました。ちなみに中村は、2020年から同様の記事を寄稿しており、今年で6回目になります:
2024年のWebアクセシビリティに関連する出来事を振り返りつつ、2025年のWebアクセシビリティの展望について俯瞰
した内容で、見出しだけを抜き出してご紹介しますと、今年は以下のような内容となっています。
- WCAG 2.2と関連文書
- WCAG 3.0について
- Open UIの合同ミーティングにまつわるトピック
- ソルファニャーノ憲章とアクセシビリティ施策
3点ほど記事に補足をさせていただきますと、まず
2023年10月のWCAG 2.2の勧告から1年ほどが経ちましたが、昨年の12月12日付けでWCAG 2.2の更新がされました。
上記については、昨年12月16日に中村が「WCAG 2.1/2.2/3.0の更新」というアクセシビリティBlogの記事で詳細を紹介していますので、そちらをご覧いただけたらと思います。また、ISO/IECの動向に関連して、以下の見通しを記しています。
ISO/IECの審議で特に異論がなければ、今年中に改訂されたISO/IEC 40500:2025が発行されるものと予想されます。
記事のなかでは触れられていませんでしたが、ISO/IEC DIS 40500 - Information technology -- W3C Web Content Accessibility Guidelines (WCAG) 2.2のページ下部では、最新の進捗を確認することができます。それによると、現時点ではStage: 40.00
とあり、より詳細には40.60 Close of voting
まで進んでいることがわかります。発行に至るプロセスの4割程度までは、順調に進んでいるようですね。またWCAG 3.0について記しているなかで
WCAG 3 Timelineでは、アクセシビリティのカンファレンスとして知られ、今年で40回の節目を迎えるCSUNや、11月に神戸で開催されるTPAC 2025がRetrospective(振り返り)として提示されており、マイルストーンとして捉えていることが伺えます。
とあり、神戸で開催されるTPACに触れられています(11月10日~14日、会場は神戸コンベンションセンター)。TPACがどのようなイベントか、はW3C TPACについて | ニュースとイベント | W3Cに解説を譲りますが、日本で開催されるのは稀であり(前回は2019年に福岡で開催)、日本人にとって現地参加しやすい貴重な機会だと思います。私も、目下参加しているSustainable Web Interest Groupの会議の有無は不明ですが、都合がつけば神戸に足を運びたいと考えています。
まだお読みでないという方は「2025年のWebアクセシビリティ」、ぜひチェックしてみてください。