信号認識アプリ「Oko」がサブスクリプションモデルに変更
アクセシビリティ・エンジニア 大塚主に視覚障害者向けの歩行者信号認識アプリである「Oko」が、1月7日のアップデートよりサブスクリプション制へと変更されました。価格は、月額プランは800円、年間プランは5000円となっており、いずれのプランも14日間のトライアル期間が設けられています。いずれかのプランに登録しない限り、すべての機能が利用できません。
OkoはiOS向けに提供されており、歩行者信号にカメラを向けると、ビープ音と振動の違いにより信号の色をフィードバックします。また、最近では新たに、目的地への徒歩経路を表示する機能も追加されました。私自身が視覚障害者(全盲)であるということもあり、信号認識機能については、認識速度の速さや精度の良さから、外出の際に頻繁に活用しています。特に音響式でない信号機を渡る際には、車や人の動きと合わせて、信号を渡るタイミングを判断する材料の1つにしています。
現状、無料で歩行者信号認識が利用できるアプリは他にもあり、Okoからの切り替えについても検討しました。ただ、これまで何度か使用した感覚として、認識速度や精度に課題があると感じ、Okoの年間プランに加入することにしました。
今回の変更について、SNSなどで国内外のユーザーの反応を確認すると、変更に関する事前の案内がなかったことへの戸惑いなどが目立った一方、アプリのシンプルさや前述した機能性の高さから、プランへの加入を決めたという投稿も見られました。
そんなサブスクリプションモデルへの変更について個人的に感じたことの1つが、日常的に無料で利用しているアプリやサービスが同じように利用できなくなる可能性があることを、私を含めたユーザーは認識しておく必要があるということです。今回のようなサブスクリプション化だけでなく、さまざまな事情による突然のサービス提供終了も十分に起こりえるでしょう。またもう1つ関連して、常に代替手段を探すことを意識する必要があるとも感じました。結果的に今回は年間プランに登録してアプリを使い続ける選択をしましたが、代替手段を把握していたために、使用感を比較したうえで、冷静に判断できたのではと感じています。
他のアプリと比較し、利用者がどうしても少なくなってしまう視覚障害者向けのアプリやサービスは、提供体制の変更が起こりやすいのではと考えています。常に代替手段を検討しつつ必要性があれば有料のプランに登録するなど、アプリやサービスの価値を見極めながら活用していきたいです。