Verizon : 企業のデジタルコミュニケーションにブロックチェーンを活用する
アメリカの大手通信事業者Verizonは、プレスリリースの信頼性を高めるために、ブロックチェーンの安全な台帳技術を活用しています。
(この記事は、2021年4月20日に公開された記事「BC Tips: Blocking misinformation」の日本語訳です。)
The Feature(特筆すべきこと)
Verizonは、Webサイトの「News Center」カテゴリーでプレスリリースを公開しています。そこの右カラムには目立つように「Full Transparency(完全な透明性)」を示すバッジを掲載しています。
このバッジは、同社がブロックチェーンを活用して「プレスリリース発表後に加えたすべての変更を、永続的に記録する」ことを保証しています。
Verizonは、2020年10月にこの取り組みを開始しました。
軽微な編集、統計情報の更新、事実関係の修正など、プレスリリースへの変更は、すべてブロックチェーンの安全な台帳に記録します。加えて、タイムスタンプを押して変更時刻も証明しています。
例えば、2020年10月に発表した、アメリカ東部・南部を襲った暴風雨への対応に関するプレスリリースは、これまでに何度か更新しています。ユーザーは、右カラムにある「View Changes」から、その変更履歴にアクセスできます。
Verizonは、この取り組みの基盤となる技術について、ホワイトペーパーを含め「News Center」で詳しく説明しています。
The Takeaway(ここから得られる知識)
ブロックチェーンは、ビットコインをはじめとする暗号通貨と密接に関連している技術で、現在はビジネスや政府組織でも広く利用され始めています。
Verizonの取り組みは、企業のオンライン・コミュニケーションにおいて、信用と信頼を確立するためにブロックチェーンを活用した好例といえます。
プレスリリースへの変更が、ブロックチェーンによって客観的に保証され、外部から確認できるこの仕組みは、特にメディアや規制当局、政策立案者などから関心を集めることでしょう。Verizonにとっても、自社が透明性と開放性を重視していることを、より広く伝えるメッセージとなるはずです。
また、フェイクニュースや誤報、SNSの炎上であふれかえる今、この事例は「唯一の真実」を追求してきた企業にとって、さらに幅広い活用に向けた興味深い第一歩となるでしょう。