International Airlines Group : 投資事例におけるサステナビリティを見落とす
(この記事は、2020年2月26日に公開された記事「International Airlines Group : Overlooking Sustainability in the Investment Case」の日本語訳です。)
航空会社International Airline Group(以下、IAG)は、サステナビリティ面を、投資家にアピールする機会を逃しています。
The Site(実際に行われたこと)
IAGは、自社のWebサイト(www.iairgroup.com)内で投資事例ページを特に強調しています。
メインビジュアルでは「unique value proposition(独自の価値提案)」という言葉を目立たせ、簡単なリード文や投資事例へのリンクを添えています。また、投資事例はWebサイトの階層内に単独で存在させ、グローバルナビゲーションの1番目に配置しています。
グローバルナビゲーションにはサステナビリティのカテゴリーもありますが、投資事例からサステナビリティのカテゴリーにはリンクしておらず、投資を行う理由としてサステナビリティに言及する、ということはしていません。
しかし、IAGはサステナビリティのカテゴリーで「環境への配慮は長期的な成長の基盤です。投資家や規制当局、顧客や従業員は、私たちの進歩的で責任感ある投資事例に期待しています」と、主張しています。
The Takeaway(ここから得られる知識)
IAGの投資事例は、投資家やアナリストにとって有用なコンテンツであり、Webサイトで投資家とコミュニケーションをはかる上で重要なツールです。
しかし、「Our investment case(当社の投資事例)」カテゴリーでは、サステナビリティ実績に関しては、投資家提案の重要な側面と見なしていながらも、アピールの機会を逃しています。
投資家やアナリストが、IAGのビジネス戦略における社会的および環境的要素について調べる際には、Webサイトのサステナビリティカテゴリーにアクセスする必要があります。Bowen Craggsの企業Webサイトのユーザー調査では、ユーザーグループの数人がサステナビリティのカテゴリーにアクセスすることを示唆しています。しかし、投資事例でサステナビリティ関連の要約や宣伝がされていない場合、サステナビリティに関するメッセージを見逃してしまう可能性が高くなるとのことです。
さらに重要な点は、たとえサステナビリティが現時点で企業の投資戦略において明確な要素ではない場合でも、その中にあるべきだということです。
多くの企業が、投資家向けコンテンツなどを用意してWebサイトを有効に利用し、「株主価値」だけでなく、組織の目標をより広く、より深く理解してもらえるようにしています。