Zurich:オフィスビルをセールスポイントにする
スイスの大手保険会社Zurichは、グローバルWebサイトの「世界中のオフィス」というページで、各国にある自社オフィスの写真を掲載し、サステナビリティや従業員の健康に関するメッセージを巧みに結び付けています。
(この記事は、2020年5月19日に公開された記事「Zurich - Making a virtue of office buildings」の日本語訳です。)
The Site(実際に行われたこと)
世界有数の保険会社Zurichは、グローバルWebサイトの「About us」カテゴリーの中で、「世界中のオフィス」というページを目立つ形で掲載しています。
そこには短い紹介文と概要を伝える動画があり、すぐ下に「ヨーロッパ・中東・アフリカ」「北アメリカ」「南アメリカ」「アジア・太平洋」という4つのタブメニューがあります。
そして、4つの地域から十数カ所の都市にあるオフィスを特集していて、それぞれに紹介文や概要データ、写真や動画などを掲載しています。
The Takeaway(ここから得られる知識)
企業がWebサイトで各国の拠点を紹介することはよくありますが、その多くは都市や町の娯楽や名所、文化などにフォーカスしています。
Zurichのように、自社オフィスを紹介するコンテンツは珍しいといえます。しかし、企業が次のようなユーザーを引き付けたい場合には、論理的な方法です。例えば、求職者と同じオフィスで働くことになる従業員、オフィスビルによって景観に影響がある周辺の住民、サステナビリティに関心があり、企業と地域の環境フットプリント※において、オフィスビルが大きく関わっていることを知っている人々、などです。
※環境フットプリント:製品や企業活動が環境に与えている負荷を示す指標
自宅で仕事をする人が増えている中でも、オフィスはアイデアを共有したり、同僚と知り合ったりするための拠点として、ビジネスライフの中心的な役割を担い続けるでしょう。
こうしたオフィスビルに関するコンテンツは、制作の良し悪しで簡単につまらないものになってしまいます。しかし、Zurichはコンテンツを簡潔に、見た目を魅力的に、そしてメッセージ性を高いものにしています。
このコンテンツには次のような主張すべきテーマがあり、その編集方針は明確です。「Zurichのオフィスビルはサステナブルで、従業員にとって有益です。そして、周辺コミュニティとのパートナーシップのもとに成り立っています」。