Shell : 新卒求職者向けのサンプル質問は有益ですが、改善の余地がある
ヨーロッパ最大のエネルギーグループRoyal Dutch Shell(以下Shell)は、採用プロセスで適性検査をおこなっていて、サンプル問題を掲載した外部サイトを紹介しています。このサンプル問題は求職者の役に立つかもしれませんが、もう少し求職者のことを考えて紹介するべきです。
(この記事は、2020年3月31日に公開された記事「Shell: Practice questions for graduates useful, but 'could do better'」の日本語訳です。)
The Site(実際に行われたこと)
イギリスとオランダの石油会社Shellは、Webサイト内にある採用カテゴリーで新卒の求職者向けに、採用プロセスについての案内文を掲載しています。そこには、応募後のオンライン適性検査に関する内容も含まれています。
オンライン適性検査の説明文には、「模擬テスト」への外部リンクが2つ含まれています。そのリンクにはそれぞれ「認知力評価の模擬テスト」、「人格評価の模擬テスト」と書かれています。
求職者がリンク先の外部サイトにアクセスすると、実際には「模擬テスト」ではなく、概要ページに少量のサンプル問題が掲載されていることがわかります。
The Takeaway(ここから得られる知識)
「模擬テスト」は、神経を落ち着かせて本番のテストで最善を尽くしたい、という求職者の要望に応える有益な手段です。
本番のテストほどではありませんが、少量でもサンプル問題を紹介することで、求職者は実際のテストがどのようなものかを事前に把握できます。
この「模擬テスト」という表現には問題があります。この言葉を読んだ求職者は、本番と同じ形式のテストだが評価されない匿名テストだ、と考えるでしょう。
しかし、リンク先の外部サイトには「模擬テスト」ではなく、概要ページに少量のサンプル問題が掲載されています。また、「模擬テスト」ではなく「サンプル問題」と表現されているため、求職者は「模擬テスト」を探しているうちに「サンプル問題」を見落としてしまうかもしれません。
これは、求職者が自分の実力を確かめる、という当初の目的が損なわれる可能性があり、彼らの時間を無駄にして不満を生み出す恐れがあります。
https://www.shell.com/careers/about-careers-at-shell/shell-graduate-programme.html