Glencore : 批判にもオープンに対応する
鉱山開発および商品取引大手、GlencoreがWebサイトで公開している「Ask Glencore」は、論争や批判に対してデジタルチャネルでオープンに対応している好例です。
(この記事は、2020年10月14日に公開された記事「Glencore : Answering criticism openly」の日本語訳です。)
The Feature(特筆すべきこと)
イギリス・スイスの商社であるGlencoreは、Webサイトのグローバルナビゲーションよりも上部に「Ask Glencore」というカテゴリーへのリンクを、目立つように置いています。
「Ask Glencore」のインデックスページには、カナダ・コンゴ・ペルーなどGlencoreが事業展開している国ごと、そして、納税・人権・労働条件などの問題ごとに、FAQがまとめられています。
各国および各問題のページでは、直接的な質問をリスト表示していて、クリックすることで回答を表示できます。例えば、ペルーのページでは次のような質問を掲載しています。「クスコ州のAntapaccay鉱山では、水をどのように管理していますか?」「第三者機関による水質調査は実施されましたか?」「労働組合とどのように関わっていますか?」
インデックスページの上部には「何を探していますか?」という見出しの、目立つ検索ボックスがあります。
質問に対する回答を見つけられない訪問者には、ソーシャルメディアまたはWebサイトの連絡先ページから問い合わせすることを勧めています。
The Takeaway(ここから得られる知識)
企業がデジタルチャネルで、包括的かつ直接的に、目に見える形で論争に対処することは、当社(Bowen Craggs社)の「オンライン・エクセレンス・インデックス」という企業サイト評価ランキングで、長年にわたって高評価を得ています。
そして、2020年9月30日に発表した「2020年版オンライン・エクセレンス・インデックス」において、より多くの企業が困難な問題に対してオープンなアプローチを取っていることに、当社は着目しています。これは、投資家や従業員、コミュニティー活動家など、影響力があるステークホルダーからの、透明性に対する要求が高まっていることに起因するようです。
「Ask Glencore」がベストプラクティスである理由は、いくつかあります。通常このようなページは、メディアカテゴリーの下層に隠れていますが「Ask Glencore」はグローバルナビゲーションの上に、常にリンクを表示しています。
さらに、質問はわかりやすく並べていて、回答は有益です。また、スイスのページにある「コロンビアでの、スイス人居住者との関わり」という項目をはじめ、一部のページでは動画も公開しています。これにより、関心と信頼を高めています。