HSBC:配慮されたユーザー導線
世界最大級のメガバンクであるHSBCは、顧客の問い合わせやログインをサポートするために、ユーザーセントリックのアプローチを活用しています。
(この記事は、2020年11月11日に公開された記事「HSBC:Coordinated customer routing」の日本語訳です。)
The Feature(特筆すべきこと)
世界有数の金融グループHSBCは、Webサイトのグローバルナビゲーションの右側に「Online Banking」「Contact」という2つの目立つリンクを配置しています。
そのうちの1つ「Online Banking」リンクをクリックすると、サービスの種類と国名を選択するページへ移動します。
選択を終えると、Webサイト内の適切なページに移動します。ユーザーは「Remember me」というチェックボックスにチェックを入れることで、自分が選択した組み合わせをWebサイトに登録できます。
もう1つの「Contact」リンクをクリックすると「お客様からのお問い合わせ」「当行のオフィス」「その他の連絡先」「よくある質問」という4つのタブがある、お問い合わせページへ移動します。これらのタブは、ユーザーが必要に応じて選択肢を絞り込むのに役立ちます。
デフォルト設定されている「お客様からのお問い合わせ」タブでは「Online Banking」と同じように、サービスの種類と国名を選択します。
The Takeaway(ここから得られる知識)
「Online Banking」で使われているこの仕組みは、複雑なHSBCのWebサイトの中から、ユーザーが適切なページを見つけやすくする優れた方法です。
ユーザーがHSBCについて詳細まで理解していなくても使用できるこの仕組みは、ユーザーセントリックのアプローチといえます。「Remember me」というチェックボックスが、その印象をさらに強くしています。複数のWebサイトを所有しているかどうかに関わらず、多くの企業はWebサイトで、ユーザーの現在地に合わせたサイトナビゲーションとともに、検索機能やお問い合わせリンクを提供しています。しかしこれは、社内全組織のWebサイトやサービスに深い知識を持たないユーザーにとって混乱の種であり、探したい情報を見つけられない可能性があります。
HSBCが提示する解決策は、お問い合わせページとの連携により、さらに強力になります。
HSBCに問い合わせたいユーザーは「Contact」リンクをクリックし、項目を選択するだけで、適切なビジネスサイトやローカルサイトにアクセスできます。これは最も効率的なお問い合わせの方法です。
この仕組みを使用することは、ユーザーとWeb担当者の双方にとって効率的です。また、HSBCでは「Contact」「Online Banking」という2つのリンク先にこの仕組みを配置し、目的地までのルートを複数提供していますが、もちろんこれもユーザーのニーズをくむ形で実施しています。