Netflix:Zoomスタイルの決算報告動画で、内容に広さと深みをもたらす
アメリカの動画配信大手Netflixの四半期決算報告インタビュー動画は、企業のWeb担当者やIR担当者が参考にすべき好例です。
(この記事は、2020年11月24日に公開された記事「Zoom-style results videos offer breadth and depth」の日本語訳です。)
The Feature(特筆すべきこと)
190以上の国々に動画を配信しているNetflixは、投資家向けWebサイトの四半期収益というページで、各四半期の決算報告書などに加えて「インタビュー動画」へのリンクを設置しています。
ユーザーが「インタビュー動画」へのリンクをクリックすると「Netflix Investor Relations」というYouTubeチャンネルに移動します。
このチャンネルでは、2013年第2四半期から現在までの、四半期ごとの「決算報告インタビュー動画」を公開しています。
それぞれのインタビュー動画は、約40分の長さにまとめられています。最新となる2020年第3四半期の動画では、NetflixのIR担当副社長が冒頭の挨拶を務めています。
そして動画内では、大手投資銀行バークレイズキャピタルの投資アナリストが質問を投げかけ、Netflixの執行役員(2人の共同CEO、最高財務責任者、最高執行責任者)である4人が回答しています。
このインタビューはリモートで実施され、ほとんどの参加者が自宅から参加していました。
過去数年間に公開されたインタビュー動画は、ほとんどが2万回以上再生されています。中でも2019年第3四半期の動画は、約25万回もの再生回数を記録しました。
The Takeaway(ここから得られる知識)
Netflixの決算報告インタビュー動画には、4つの強みがあります。
まず、40分という時間の中で、他社が作成したほとんどの四半期決算報告インタビュー動画よりも、詳しく説明していることです。
次に、第三者である投資アナリストがインタビュアーを務めていることです。このことで、少なくとも質問という点では客観的な印象を与えています。
さらに、複数の執行役員が動画に出演していることです。このことにより、異なる視点で解説や分析をすることができ、さまざまなテーマについてより深く、より広く取り上げることができています。
最後に、Netflixは他社と異なり、コロナ禍の制約下でも決算報告インタビュー動画の制作を止めていないことです。パンデミックの発生以降に制作されたZoomスタイルの動画は、スタジオで収録した動画のような洗練さはありませんが、投資家やアナリストにとっての価値はまったく失われていません。
もしNetflixがこれらの動画をYouTubeだけで公開するのではなく、自社の投資家向けWebサイトにある四半期収益ページのアーカイブにも埋め込めば、さらに便利で有効な対策となるでしょう。
https://ir.netflix.net/financials/quarterly-earnings/default.aspx