Iceland : 自社の「暗黒時代」を語る
イギリスの冷凍食品小売チェーンであるIcelandの経営陣は、かつて同社内で問題が発生していた時期を振り返り、ストレートな意見をWebサイトで公開しています。
(この記事は、2021年3月23日に公開された記事「Iceland : Tales of the dark ages」の日本語訳です。)
The Feature(特筆すべきこと)
900以上の店舗を運営しているスーパーマーケットチェーンIcelandは、Webサイトに「Our Story」というカテゴリーを設け、自社の沿革を紹介しています。そして、その中にある「The Dark Ages(暗黒時代)」というサブカテゴリーでは、創業者をはじめとする経営陣が追放された2001年から、復帰した2005年までの出来事を公開しています。
「The Dark Ages」では、この激動の期間を詳しく説明しています。ただ、現経営陣の視点で書いている部分が多く、暗黒時代の経営陣に対する批判も少なくありません。
1980年から現在までの営業利益をグラフで紹介している「Our Performance」というページでは、2001年~2005年の期間がまさに暗黒の時代だったことを、明確に示しています。
そのほか会社情報ページの大半は、創設者兼会長のマルコム・ウォーカー氏が中心となっています。
このことは「Our Leader」と題したテキストベースのプロフィールや、息子でマネージング・ディレクターのリチャード・ウォーカー氏とともに運用している「Walker Blog」でも、顕著に表れています。
The Takeaway(ここから得られる知識)
Bowen CraggsがIcelandのWebサイトを注視したのは、「Our Story」で企業が直接的な意見を述べることについて是非を問う、Twitter上の議論がきっかけでした。
このこと自体は、企業Webサイトで強い意見を発することが、いかに世間の注目を集めるかを示しています。一部のユーザーは、企業サイトにさらなる個性を求めているのかもしれません。
もちろん、旧経営陣に対するあからさまな敵意は、上場企業であれば考えられないことですし、考えるべきではありません。
たとえIcelandのような非上場企業であっても、ユーザーはより事実に基づいた説明を期待します。創設者兼会長の意見は、企業Webサイトの沿革ページに掲載するよりも、自分の意見としてブログで発表したほうが良いでしょう。