NHS Digital : インクルーシブな登録フォーム
イギリスの国営医療サービスNHSは、登録フォームにこだわることで、組織文化に関する重要なメッセージを強化しています
(この記事は、 Bowen Craggs社のWebサイト「Our Thinking」において2022年5月16日に公開された記事「NHS Digital : Inclusivity is built in」の日本語訳です)
The Feature(特筆すべきこと)
NHS Digitalは、イギリスの国営医療制度National Health Service(NHS)の中でも、イングランドとウェールズにおいて情報技術と健康データを管理する組織です。そのNHS Digitalは、採用関連の登録フォームに珍しい入力欄を2つ設けています。
1つは、自身の性自認・性表現について、プルダウンから希望する代名詞を選択できるようにしています。
※ちなみに、プルダウンリストには「he/him(自身の性自認・性表現が男性の人)」「she/her(自身の性自認・性表現が女性の人)」「they/them(女性・男性という枠組みに当てはまらない人)」「my preferred pronouns aren't listed(リスト内に希望の代名詞はない)」があります。
もう1つは、求職者に自分の名前をどう発音するのか、質問しています。
「私たちにとって、あなたの名前を正しく使うことは大切です。この入力欄で、あなたの名前はどのように発音するのか教えてください」。
The Takeaway(ここから得られる知識)
NHS Digitalは、あらゆる人を受け入れるという企業姿勢を、入力フォームでも表現しています。このことは、多様な人材の育成と維持に取り組んでいる、という明確なメッセージとなり、求職者に届くでしょう。
特にこの2つの入力欄は、NHSが画一的な人材を求めていない組織であることと、応募者を歓迎し、仲間に加え、アイデンティティーを尊重する組織であることを伝え、求職者を安心させる手助けをしています。
Webサイトに組み込んだ細かい施策ではありますが、これによって組織のダイバーシティやインクルージョンに関する方針を有言実行し、真摯に取り組んでいることをステークホルダーに示すことができました。
そして、インクルージョンに関するメッセージの強化にもつながることでしょう。