Instagramを企業コミュニケーションに活用する(パート1)
Instagramは、今やTwitterやFacebook、LinkedInと同じくらい定着しましたが、企業のデジタルコミュニケーション担当者の中には、まだその価値を見いだせないでいる人もいるようです。
(この記事は、 Bowen Craggs社のWebサイト「Our Thinking」において2022年12月15日に公開された記事「Making Instagram work for corporate communications」の日本語訳です)
※今回の投稿は2つのパートに分かれています。パート2は近日公開予定です。
新たにInstagramの企業アカウントを運用したい、または、既存アカウントのプレゼンスを改善したい、と考えている皆さまへ。Bowen Craggs Indexの中でも、Instagram活用で上位評価を得ている企業が、採用している3つの成功要因をご紹介します。
成功要因1:Instagramユーザーを惹きつける
Instagramを活用すれば、企業独自のアプローチとスタイルを開発できます。Instagramのコンテンツを魅力的にするための、具体的なガイドラインはありませんが、Eni、BP、Nike、Lego、Adobeといった企業は、さまざまな側面からユーザーを惹きつけるためのベストプラクティスを示しています。
Eni - 基本を忘れない
Instagramを見るユーザーのニーズは、他のデジタル資産に対するニーズと、大きな違いはないことを覚えておきましょう。つまり、すべての観客に向けて品質とアクセシビリティを維持、向上することが重要です。
イタリアのエネルギー大手Eniは、高品質の画像や動画に、手動で字幕を付けて提供しています。さらに、メインの公式アカウントでは、同じ文章をイタリア語と英語で表記して、国内外のユーザーに対応しています。
bp - Instagramに特化したコンテンツを制作する
イギリスの石油・エネルギー大手bpは、自社設備、職場、従業員などのありのままを写した、他のデジタル資産ではあまり見られない写真と、プロによる撮影を組み合わせて提供しています。
これらは、Webサイトや他の公式SNSアカウントとの重複を避けながら、視覚的・物語的に一貫性を保っています。
Nike and Lego - 創造的になる
Instagramのユーザーは、クリエイティブなコンテンツをつまらないとは思わずに、見ることに慣れています。
企業や政治的なコミュニケーションは、クリエイティブであってはならないという暗黙のルールに従っているケースは多いです。しかし、Instagramを上手に活用すれば、ユーザーはクリエイティブなコンテンツを受け入れてくれるでしょう。
例えば、アメリカ最大手のスポーツ関連製品メーカーであるNikeは、頻繁に著名人を起用しています。デンマークの玩具会社Legoはミニフィギュアや動画コンテンツ、自社製品を使った創作作品を公開して、企業を魅力的に表現しています。
Adobe - ミームを採用し、ユーザーと交流
SNS上のミームやその他のコミカルなコンテンツは、ヒットするか否かがわかりません。トレンドが続いているあいだは、ミームを使用しつつも暗黙のルールを尊重する必要があります。これにはリスクがあり、そのチャンネルに関する洗練さと経験が必要です。
上記の例であげたトレンドのミームを、Adobeは適切に採用してうまく機能させる方法を示しています。
上記の写真は、この人物の「タイプ」を、ハロウィンの仮装のように想像したミームです。
典型的なグラフィックデザイナーがどのように見えるかを描いており、衣装に含まれる要素の一覧が、軽く笑いを生み出しています。
Adobeはこの話題を明確に理解し、会社に関連するメッセージをコミカルに差し込んでいます。
このミームになじみがあるInstagramユーザーは、すぐにユーモアを解読し、「Adobeはジョークがわかっている」と感じ、エンゲージメントを高めることでしょう。
また、Adobeはコメント欄でユーザーと頻繁にやり取りをしています。
アカウントの管理者は、質問に回答したり、情報を提供したり。時にはダイレクトメッセージを通じて、さらに議論を深めることもあります。その場合は、管理者が自分のイニシャルを共有し、ユーザーが誰と話しているのかを識別できるようにしています。
また、管理者は好意的なコメントに対して、感謝を伝える返信をしています。Adobeのアカウントと投稿は、情報共有だけではなく、議論の場にもなっているのです。
パート2は近日公開予定です。