雑然とした世界で、貴社のサステナビリティ・ストーリーを語る
(この記事は、 Bowen Craggs社のWebサイト「Our Thinking」において2023年11月14日に公開された記事「Telling your sustainability story in a mixed-up world」の日本語訳です)
企業Webサイトで、優れたサステナビリティ・コミュニケーションは実施できているケースは、希少です。
これは、企業のデジタルコミュニケーションにおける優れた実例をピックアップした「Bowen Craggs Index Snapshot」から得た、主要な発見の一つです。
過去12カ月間の調査から明らかなように、ほとんどの企業が環境や社会に関する戦略について、コミュニケーション方法をもっと洗練させる必要があります。もし貴社が後れを取っていたとしても、決してそれは異例なことではありません。サステナビリティというテーマは、何をどのように伝えるべきか、判断が非常に複雑だからです。
しかし、規制当局、多くの投資家、一部の国民は、環境・社会・ガバナンス(ESG)に関する情報のさらなる開示を求めています。そして、企業の意図と行動のあいだにズレがあれば、メディアは厳しく批判するでしょう。もし貴社が、アメリカとヨーロッパの両方で事業を展開しているのであれば、両地域での考え方は、かつてないほど分断されているでしょう。
ここからは、Bowen Craggs Indexで上位の優れた企業が、WebサイトやSNSを活用して混乱を切り抜け、信頼性の高いサステナビリティ・ストーリーを伝えている方法を、3つ紹介します。
1. 具体的な情報を発信する
Indexの上位企業は、サステナビリティに関する発信において、曖昧で漠然とした一般論は避け、具体的な例や実績にこだわります。例えば、アメリカのIT大手MicrosoftがグローバルWebサイトで掲げている「Empowering others (他者に力を与える)」という曖昧な見出しと、スイスの食料品大手Nestléが最近推進する方針をアピールしている「regenerative agriculture (再生農業)」という見出しには、大きな違いがあります。実績や活動の具体的な情報を発信することは、効果的なデジタルコミュニケーションの初歩ではありますが、良いスタートといえるでしょう。
2. パートナーシップを強調する
企業とNGOなど、第三者とのパートナーシップは、サステナビリティに関する主張の信頼性を高めます。うまく機能しているパートナーシップがある場合は、ぜひステークホルダーに情報を共有しましょう。イギリスの保険会社Avivaの「Aviva and WWF」は、その好例です。
3. ストーリーとデータの適切なバランスを目指す
サステナビリティの専門家は、網羅的なデータへの簡単なアクセスを望んでいて、企業はそのニーズに応えなければなりません。しかし、そのようなユーザーは少数派です。貴社のデジタル資産にアクセスするほとんどの訪問者は、ストーリーを求めています。例えば、「ネット・ゼロに到達するため、どのように会社を変革していますか?」「地域レベルのプログラムに数百万ドル投資することで、誰が恩恵を受けているのですか?」など。訪問者に反論されないような、ストーリーを提供しましょう。
アメリカの大手通信会社Verizonの「video case studies」コンテンツは、学校への投資によって恩恵を受ける人々を取り上げていて、ベストプラクティスといえます。Verizonはこのストーリー優先のアプローチと、専門家をワンストップで満足させる「ESG Resources Hub」を、適切なバランスで組み合わせています。