貴社のWebサイトは、投資家を困らせていませんか?
投資家は、企業Webサイトにとって、主要な訪問者層ではないかもしれませんが、企業にとって重要なステークホルダーです。
(この記事は、 Bowen Craggs社のWebサイト「Our Thinking」において2024年9月27日に公開された記事「Is your corporate website frustrating your investors?」の日本語訳です)
Bowen Craggsの訪問者調査によると、投資家が企業Webサイトを訪れる主な目的は、財務情報・企業概要・ニュースの閲覧です。彼らは探している情報が明らかであることから、他の訪問者層よりも目標を達成しやすい傾向にあります。しかし、もし必要な情報が見つけづらい場合は、目的の達成度は下がり、結果としてブランドイメージなど、他の重要な指標に悪影響を及ぼす可能性があります。
訪問者調査の自由記述欄に書かれたコメントを見ると、投資家の意見や不満には、いくつか共通するものがありました。投資家は、財務情報・個人アカウントへのログイン・問い合わせ先情報への、スムーズなアクセスを求めています。これらが見つけにくいWebサイトは、投資家たちにとって、大きなストレスになっているようです。もちろん、デジタルチームだけで対応できる範囲を超えた問題もあるでしょう。一方で、訪問者調査では、比較的簡単に改善できる問題も、いくつか見つかりました。
本記事では、企業の担当者が知っておくべき投資家の不満と、それらに対応するための簡単な解決策を紹介します。
ここで引用するコメントはすべて、実際に企業Webサイトの訪問者が上げていた声ですが、個人が特定できないように匿名化しています。
個人アカウントへのログイン方法がわかりにくい
「アカウントにサインインしようとしましたが、そのためのリンクが見つかりません」
「アカウントにログインできません」
株主向けサービスであれ、ライブ配信の再放送であれ、投資家は必要な情報へ簡単にアクセスできることを望んでいます。もし、ログインページへのリンクが埋もれていたり、見つけにくかったりすると、投資家は不満を募らせるでしょう。そのため、投資家向けアカウントへのログインエリアは常に最新の状態に保ち、投資家向け情報のカテゴリーから簡単にアクセスできるように改善しましょう。
重要な財務情報を見つけられない
「すべての情報が更新されておらず、最新ではありません。2022年ではなく、2024年の最新の見通しが知りたいです」
「最新の財務ニュースや電話会議への導線を、もっとわかりやすく掲載してください!」
「決算情報は、バラバラの資料ではなくて、一つの資料にまとめて提供してほしいです。複数の資料に分かれていると、全体像が把握しづらくて役に立ちません」
訪問者調査によると、投資家の約32%が財務情報を見つけるために、企業のWebサイトにアクセスしています。これは投資家たちにとって、主要な訪問理由であることがわかっています。しかし、多くの企業Webサイトでは、古い財務報告書を提供していたり、配当情報や投資家向けのプレスリリース、決算説明会の要約などの重要な情報を、下層の見つけにくい場所に掲載していたりして、投資家が探している情報にたどり着けていません。この状況を解消するには、IR情報のランディングページを活用して、わかりやすい案内を心がけましょう。また、財務報告書を公開する際には、PDF形式に依存するのではなく、さまざまなフォーマットでの提供を検討してください。
株価下落や、その原因となった問題に対する、説明が不足している
「株価が4ポンドを下回りましたが、一体何があったのですか?」
「貴社の株価が、今日大幅に下落しましたが、その理由がわかりません」
「イギリスの年金が、生活費の高騰に対応できないことに対する、納得できる説明がありません」
何らかの問題が発生したり、それによって株価が下落したりしたとき、企業側から明確な説明がないと、投資家は不満を感じるでしょう。そうした状況に陥ったとき、会社として何をするべきか、判断に困ることがあるかもしれません。しかし、投資家の不安を解消することは、何よりも優先するべきです。Webサイトのわかりやすい場所に、企業側からの詳細な説明を掲載することにより、投資家は状況を理解できます。
投資家向けの問い合わせ窓口に連絡ができない
「適切な連絡先情報をちゃんと掲載してほしいです」
「親身になって対応してくれる担当者と、話すことができない!」
「電話番号が見つかりません。改善してほしい点:電話番号を記載してください」
投資家にとって、質問や疑問、懸念点などを、直接問い合わせできる窓口があることは、非常に重要です。そして、こうした窓口の連絡先をわかりやすく設置しておくことは、企業の透明性や対話する姿勢を示すことになり、投資家との信頼関係を構築する上でも大切です。この連絡先が、投資家向けページの最下部や、過去のプレスリリースなどと同じく、Webサイトの奥深くに埋もれた状態ですと、投資家は必要な情報にたどり着けずに取り残されてしまうでしょう。メインのナビゲーションや投資家向けのページには、投資家向け問い合わせへのリンクを、わかりやすく設置するようにしましょう。