HTML5の勧告、その後
エグゼクティブ・フェロー 木達旧聞に属するお話ですが、去る10月28日、HTML5が勧告されました。私がかつて「再び注目を集めるHTML」というコラムを書いてから8年もの月日が経ったわけですが、その時間の長さを思えばこそ、勧告に向け尽力された方々の苦労が偲ばれます。
HTML5は、米国カリフォルニア州サンタクララで催されたTPAC 2014の期間中に勧告されたのですが、そのTPACには当社よりアクセシビリティ・エンジニアの黒澤が参加していました。彼のレポート記事は、アクセシビリティBlogで公開されています。
- TPAC 2014 レポート1 HTML5が勧告に
- TPAC 2014 レポート2 WAI-ARIAを扱いやすく
- TPAC 2014 レポート3 W3C 20周年シンポジウムから
- TPAC 2014 レポート4 グラフやネットワーク図のアクセシビリティ
そして先日、黒澤が社内向けに参加報告会を開催。レポート記事には書かれなかった内容を含め、興味深い話が多く紹介されたのですが、なかでもHTML5の今後については特に興味を惹かれました。具体的には、仕様が今後モジュール化されるかもしれない、というものです。
何事にもメリットとデメリットの両方がありますけれど、HTML Modularisationにあるように、参加者が議論に参加しやすくなる点は、モジュール化による確かなメリットだと思います。また小分けにするぶん、個々の仕様が勧告までに要する時間の短縮が期待できるでしょう。しかしモジュール化はまだ決定事項ではなく、今後の議論の推移には注意したいと思います。
ともあれ、HTML5の意義や価値はそれはそれとして、Webデザイナー/開発者としては、WHATWGでメンテナンスが継続されているHTML Standardの動向にも注意を払う必要があることに変わりないでしょう。