HTML5 Image Description Extensionが勧告案に
エグゼクティブ・フェロー 木達W3Cが毎週発行するWeekly Newsletter、その12月8日号において、フロントエンド寄りの話題で目を引いたのが、HTML5 Image Description Extension(longdesc属性)の勧告案が出されたというニュース。この拡張仕様は、HTML4で利用できたlongdesc属性を、HTML5においても利用できるようにするものです。longdesc属性については、過去にも何度か当社のWeb標準やアクセシビリティのBlogで言及されてきました:
- Firefoxがlongdesc属性をサポートへ(アクセシビリティBlogに2013年6月3日掲載)
- HTML5のLast Callに関連するアクセシビリティの話題(アクセシビリティBlogに2011年6月16日掲載)
- Operaのlongdescサポート(Web標準Blogに2009年9月21日掲載)
勧告案は、HTMLアクセシビリティ・タスクフォースで開発したものを、プロトコルとフォーマット・ワーキンググループによる承認のもと、HTMLワーキンググループが発行しました。現在は2015年1月16日までレビュー期間中ですが、W3Cの仕様策定プロセスにおいて勧告の一歩手前というステータスにあり、順調に進めばほどなく勧告になることでしょう。
果たしてこのlongdesc属性、Web制作の現場で今後どれだけ使われることになるでしょうか。Webブラウザーや支援技術によるネイティブなサポートが一つの鍵ではありますが、ウェブアクセシビリティ基盤委員会の提供するアクセシビリティ・サポーテッド(AS)情報の2014年6月版でlongdesc属性に関するページを見てみますと、サポート状況は芳しくないことが見て取れます。
また、同様の目的においてはlongdesc属性ではなくWAI-ARIAを使いたいと考えるデザイナーや開発者の方も中にはいらっしゃるかもしれません。WAI-ARIAを使って画像とそれに対する説明を関連付けるには、aria-describedby属性(WAI-ARIA 1.0で定義済み)やaria-describedat属性(WAI-ARIA 1.1で策定中)を用いる方法があります。両属性については、アクセシビリティBlogのWAI-ARIA 1.1の最初の草案 & WAI-ARIA 1.0勧告時期の目安を合わせてお読みいただければと思います。