Igaliaによるブラウザー新機能実装の実験的クラウドファンディング
アクセシビリティ・エンジニア 中村(直)少し前の話になりますが、Igalia Welcomes A11Y Project Campaignという記事で、オープンソースのコンサルタント会社であり、ブラウザー開発に携わっているIgaliaがブラウザーの新機能の実装に関するクラウドファンディングを実施していることを知りました。
これに関するIgaliaでのニュース記事がこれまでにいくつか書かれています。
少し情報が断片的であり、1つのURLにまとまったものが書かれていないため、いくつかのURLにある情報をつなぎ合わせてみると、
- クラウドファンディングのページはOpen Prioritization
- Open Collectiveを利用
- 6つの機能を対象としている(後述)
- アナウンス(開始)されたのは7月13日
- 期間は90日とする
となります。対象としている機能は、
- WebKit/Safariに対するもの
:focus-visible
疑似クラス (Bug 185859)- HTML
inert
(Bug 165279) - CSS containment(Bug 172026)
- Firefoxに対するもの
- CSS
d
Path (SVG) (Bug 1571119) lab()
色関数表記(Bug 1352757)- Chromeに対するもの
:not()
疑似クラス(Issue 580628)
なお機能の後の括弧では、該当すると思われる各ブラウザーのバグレポートを挙げています。
振り返ってみると、ユーザーとしてのブラウザーにおける新機能の実装の要望というのは曖昧ともいえるもので、例えばChromiumではStarを付けることで実装者の後押しになるらしいと耳にしたことがありますが、実際どの程度の効果があるのかはわかりません。 それと比較すると、今回のクラウドファンディングの実験は、資金さえ集まれば、その機能を実装してくれるというわけです。より直接的であり、魅力的だと個人的に感じています。
ということで、筆者も:focus-visibleにPledgeしてみました。自分の名前とメールアドレス、金額さえ入力してしまえばよいので、やや拍子抜けではありました。
クラウドファンディングが成立するのかはわからない面はありますが、興味があるという方は参加を検討されてみてはいかがでしょうか。