サステナブルWebデザインに関するガイドライン策定の動き
エグゼクティブ・フェロー 木達サステナブルWebデザインについては、これまで何度かコラムで触れてきました:
- サステナブルWebデザイン(2020年1月21日)
- 加速するSDGsへの取り組みとWebデザイン(2020年10月30日)
- グレート・リセットの先を見据えて(2020年12月18日)
- DX&SXの時代(2021年6月25日)
- サステナビリティ経営時代のWeb品質(2022年2月25日)
また、この考え方に関して昨年2月に出版された書籍、『Sustainable Web Design』をミツエーテックラジオの#11「サステナブルWebデザイン」でご紹介もしています。
そんなサステナブルWebデザインを取り扱うW3CのCommunity Group、Sustainable Web Design Community Groupでは、これまであまり活発にやり取りがなされてこなかったのですが、先月から気になる動きが見られます。4月19日付けで公開された記事、Sustainability Recommendations Interest/Working Groupにおいて将来、サステナブルWebデザインに特化したWorking GroupないしInterest Groupを組織する可能性が示唆されたのです。
上述のとおり、私はこの話題をしばらく前から追ってきましたので、その種の活動に興味がある旨コメントしていたのですが、5月20日付けで公開されたDraft Charter for Interest/Working Group: Please Contributeにおいては、実際の組織化に向けたDraft Charterが提示されました。その内容をめぐり、目下Google Docs上でやり取りが進められています。
Webアクセシビリティの分野でいうWCAGのようなガイドラインを、サステナブルWebデザインに関して策定することは、果たして可能なのでしょうか。私の認識する限り、サステナブルWebデザインでは表示パフォーマンスやアクセシビリティ、ユーザビリティ、ファインダビリティなど、複数の品質がサステナビリティ観点から複合的に求められるため、策定するとなればその内容は多岐にわたる(従い個々の項目の掘り下げ方は浅い)ガイドラインになるのではと予想しています。
いずれにしてもこのガイドライン策定の動き、個人的に大変興味深く思っていますし、また可能な限り私自身、活動に参加させていただくつもりです。順調に進めば、9月12〜16日にハイブリッドで開催予定のTPAC 2022を契機に策定がスタートするかもしれません。