2023年2月のWebプラットフォームの新機能
エグゼクティブ・フェロー 木達このページの一部は、Google が作成し、クリエイティブ・コモンズ 4.0 著作権表示情報に記載されている用語に従って使用されている、著作物を複製したものです。
以下の内容は、2023年2月28日に公開された記事「New to the web platform in February」の日本語訳です。翻訳の正確性は保証いたしかねますので、必要に応じ原文を参照ください。また、ブラウザサポートについては原文公開時点のbrowser-compat-dataに基づいており、必ずしも最新の状況を反映しているとは限りませんので、ご注意ください。
2023年2月に安定版およびベータ版のWebブラウザに搭載された興味深い機能を複数ご紹介します。
安定版ブラウザのリリース
2023年2月にはFirefox 110とChrome 110が安定版となりました。これがWebプラットフォームにとって何を意味するか、見ていきましょう。
3つのエンジンすべてがコンテナクエリに対応
Firefox 110がサイズのコンテナクエリをサポートしたことで、この重要な機能が3つのエンジンすべてで利用できるようになりました。
CSS 頭文字
Chrome 110では、CSSのinitial-letter
プロパティがサポートされています。このプロパティは、頭文字が続くテキスト行の何行分に入り込むかを設定します。より詳しくは、Control your drop caps with CSS initial-letterをご覧ください。
ReadableStreamによる非同期反復処理
FirefoxはReadableStream
の非同期反復可能プロトコルをサポートしました。
AudioContext.setSinkId()
Chromeの場合、出力に使用するオーディオデバイスのIDをAudioContext.setSinkId
が設定します。これによりAudioContext
は、ユーザーの選択した出力デバイスに音声をルーティングすることができます。
この機能については、Change the destination output device in Web Audioで詳しく説明しています。
credentiallessなiframe
これもChromeについてですが、credentiallessなiframeは、新しい一時的なコンテキストを使用し、サードパーティのiframeでドキュメントを読み込む方法を開発者に提供します。これはcredentiallessなCOEP(Cross-Origin-Embedder-Policy)を一般化したもので、COEPを展開しないサードパーティのiframeをサポートできます。これにより、サードパーティのiframeはCOEPページに埋め込まれるべくCOEPをサポートしなければならないという制約がなくなり、開発者はCross-Origin-Isolationの採用を前向きに考えることができるでしょう。
詳細については、Iframe credentialless: Easily embed iframes in COEP environmentsをご覧ください。
- 110サポート済み
- 110サポート済み
- ×未サポート
- ×未サポート
早期安定版
Chrome 110では、リリーススケジュールにも変更がありました。早期安定版が、一般的な安定版のリリースより1週間早く、ごく少数のユーザーに提供されるようになります。この変更については、Change in release schedule from Chrome 110で詳しく説明しています。
ベータ版ブラウザのリリース
ベータ版のブラウザは、次の安定版で実装されるもののプレビューを提供します。新機能や既存機能の削除など、あなたのサイトに影響を与える可能性のあるものを、リリース前にテストする絶好の機会です。新しいベータ版はFirefox 111、Safari 16.4、そしてChrome 111です。これらのリリースは、プラットフォームに多くの素晴らしい機能をもたらします。詳細はリリースノートをご覧ください。ここでは、ハイライトをいくつかご紹介します。
Firefoxは、File System Access APIを使用する際に向けOrigin Private File System(OPFS)のサポートを追加しました。
Chromeは、CSS Color Level 4で定義されるすべての機能を含めました。そのなかには、デバイスに依存しない4つのカラータイプ(lab、Oklab、lch、Oklch)やcolor()
関数、グラデーションおよびアニメーションのためのユーザー固有の色空間が含まれます。また、CSS Color 5のcolor-mix()
関数もサポートされています。
これらの新しい色の種類や色空間については、High Definition CSS Color Guideをご覧ください。
Chromeはまた、Single-Page Application(SPAs)において洗練されたトランジションを可能にするView Transitions APIもサポートしています。詳しくは、Smooth and simple transitions with the View Transitions APIをご覧ください。
またChrome 111には、HTMLに直接Shadow DOMを実装して使用する新しい方法、また、Chrome 111には、HTMLに直接shadow DOMを実装して使用する新しい方法である、Declarative Shadow DOMも含まれています。
Safari 16.4は、プラットフォームにとって大きな意味のあるリリースとなることが期待されています。CSSについては:user-invalid
および:user-valid
擬似クラス、margin-trim
プロパティ、メディアクエリの範囲構文、CSS Properties and Values APIおよび@property
のサポートが含まれています。
またWeb Push、Badging API、その他多くのWeb APIのサポートも含まれています。多くの機能が相互運用可能な状態になる、とてもエキサイティングなリリースです。