2017年、旅行業界で最も優れたグローバルWebサイトはBooking.com
(この記事は、2017年3月14日に公開された記事「Booking.com: The best global travel website of 2017」の日本語訳です。)
2017年版Webグローバリゼーション・レポートカードにおいて、旅行業界からは以下の24社のWebサイトを調査しました:
- Air France
- Airbnb
- American Airlines
- Avis
- Booking.com
- British Airways
- Delta
- Emirates
- Enterprise
- Expedia
- Four Seasons
- Hertz
- Hilton
- Hotels.com
- Hyatt
- InterContinental Hotels
- Kayak
- KLM
- Marriott
- Royal Caribbean
- Sixt
- TripAdvisor
- Uber
- United Airlines
Web上で旅行関連サービスを展開している会社と、それ以外の旅行会社を一括して調査し始めて、今年で3年目になります。この業界では、オンライン旅行代理店(OTA:Online Travel Agencies)が長いあいだ強い影響力を及ぼしてきましたが、市場形成のみならず顧客関係性の面においても、航空会社やホテルが一層、競争力を増しているように見受けられます。
第一位を獲得したのはBooking.comです。41種類の言語サポートと、全てのローカルサイトに共通のテンプレートを適用している点で、他のWebサイトをリードしています。モバイル向けサイトにおいても、競合のサイトより(数キロバイトですが)軽くできており、同サイトがパフォーマンス上、有利となっています。惜しくも第二位にランクインしたのは、Hotels.comでした。
もとより旅行業界はグローバルな業界です。顧客が世界のある場所から別の場所へ旅行しようとしているとき、言語のみならず通貨、タイムゾーン、モバイル機器についても、数多くをサポートする必要があります。この業界に属する会社の多くは、サイトの訪問者に適切な言語、地域特性、通貨でもって出迎えるべく、ジオロケーションやコンテンツネゴシエーションの使用に積極的です。またそうした会社は、非常に柔軟な対応も提供しています。たとえばBooking.comとHotels.comでは、私が通貨ゲートウェイと呼ぶ機能で、表示通貨を切り替えることができます:
しかし、それでもBooking.comは完璧とは言い難いサイトです。モバイル向けサイトではグローバルゲートウェイが隠されてしまうため、設定を素早く変更したい訪問者にとって理想的とは言えません。私なら、以下に示すEmiratesのサイトのように、ヘッダーにグローバルゲートウェイへのリンクを設けることを提案します:
地球のアイコンに関しては、Emiratesのサイトで使われているよりもっと一般的なものを私ならお勧めしますが、それでもこのアイコンは、他の旅行会社のモバイル向けサイトで使われているより遥かに優れたものです。
American Airlinesは地球のアイコンを使用していませんが、少なくともヘッダーからグローバルゲートウェイを利用可能にしています:
ナビゲーションの目的で国旗を使うのはお勧めしないのですが、多くの旅行会社のWebサイトは、現在も国旗を使い続けています。国旗は増減の際に手間がかかりますし、しばしば単なるナビゲーション以上の意味を伝えてしまうものです。多くのWebサイトがグローバルゲートウェイで、他の国旗はそのままであっても台湾の国旗を使うのを意図的に止めているのは、そういう理由からです。
多くの会社は、言語サポートの拡充に勤しんできました。この一年で複数の言語サポートを追加したWebサイトには、以下の会社のサイトがあります:
- Emirates
- Hertz
- Hilton
- Kayak
- KLM
- Uber
ところでKLMは28言語をサポートし、他の航空会社をリードしています。またホテルでは、Hiltonが23言語でトップです(もしAirbnbをホテルに含めるならば、同社がトップになりますが)。
旅行業界のリストで、順位が低い方に位置している会社にはFour SeasonsやEnterprise、Avisがあります。
より詳しくは、Webグローバリゼーション・レポートカードをご覧ください。旅行業界は、このレポートにおいて最もページ数を割いている業界であり、その章だけで50ページ以上あります。