自動車業界のグローバルWebサイトで2017年のトップはNissan
(この記事は、2017年6月21日に公開された記事「Nissan: The best global automotive website of 2017」の日本語訳です。)
2017年版Webグローバリゼーション・レポートカードにおいて、自動車業界からは以下の14のWebサイトを調査しました。
- Audi
- BMW
- Chevrolet
- Ford
- Honda
- Hyundai
- Land Rover
- Lexus
- Mercedes
- Mini
- Nissan
- Tesla
- Toyota
- Volkswagen
歴史的に、自動車業界のWebサイトは言語サポートは手厚いものの、グローバルでの一貫性やナビゲーションに弱みを持つ傾向があります。多くのサイトがいまだこの傾向に苦労していたなかで、Nissanの新しいグローバルWebサイトのデザインを目にした私は、嬉しく思いました。今回、Nissanが初めて首位に立った最たる理由が、そのデザインにあります。
昨年首位だったBMWは41言語をサポートしていましたが、グローバルでの一貫性については平均並みでした。Nissanの新しいデザインでは、それを上回る一貫性を備えつつ、より深い階層にまでローカル化が施されています。多くの自動車メーカーで、一貫性を担保する範囲が一定の地域、例えばヨーロッパ圏内に限定されているなか、地域をまたいで一貫性が担保されているのは稀なことです。以下に示すのは、Nissanのドイツ向けとブラジル向けのサイトのトップページです:
自動車会社のサイトにおいて目下、2つの異なる市場に向け一貫性が担保されているのを目にするのは、きっと困難だろうと思います。
Nissanは昨年サポート言語数を一つ増やし、その数でトップのHondaと並んだのですが、46言語もサポートしているのは素晴らしいことです。Nissanはまた、ローカル言語を用いたソーシャルフィードの提供においても他社より優れています。例として、以下にスペイン向けサイトのトップページを示します:
グローバルナビゲーションについてみると、残念ながら、突出して優れているWebサイトはありませんでした。Nissanは他の多くの会社と同様、誤った国旗の使い方をしています。ただし、同社は国名コードのサポートにおいて良い仕事をしています。
アメリカに本社のある自動車会社に限定すると、トップはどの会社でしょう?答えはChevroletです。多くのブランドが実践できていないなかで、Chevroletは多くのグローバルWebサイト向けベストプラクティスを実践しています。同社はまた、アメリカ市場向けにスペイン語をよくサポートしています:
今年のレポートカードで新たに調査対象に加わったのがTeslaです。同社のサイトは、グローバルでの一貫性に強みがある反面、サポート言語とグローバルナビゲーションに弱みがあり、国旗に頼ってもいます。以下に示すのは同社のグローバルゲートウェイです:
自動車業界で今年、最下位だったのはHyundai。同社のサイトは複数の項目で低い点数でしたが、例外はグローバルのリーチ(サポート言語数)です。Hyundaiが43言語をサポートしているのは注目に値しますが、それはつまり、サポート言語数だけでは優れたグローバルサイトとは言えないことを意味します。
自動車会社は得てして、Webサイトを運営するチームも予算も地域ごとに独立・分散しているもので、結果として国や地域をまたいでデザイン要素を共有しないケースが多く見られます。しかしNissanは共有する方向に歩みを進めてきたわけで、他の自動車会社も後に続くことを私は確信しています。
より詳しくは、Webグローバリゼーション・レポートカードをご利用ください。自動車業界のサイトについてだけで、25ページ以上を割いています。