アジアに進出するなら中国、日本、韓国だけでなく......
(この記事は、2017年8月8日に公開された記事「When looking at Asia, look beyond China, Japan and South Korea...」の日本語訳です。)
歴史的に、欧米企業がアジアへの進出を計画する際、まず中国、日本、韓国の3市場(もしくはそのいずれか)にフォーカスするのが常でありました。
今日、アジア進出を目論む企業であればどこであれ、先述の3市場に対象を限定すべきではありません。新興のASEAN諸国には、多くの機会が眠っています。
ASEAN(東南アジア諸国連合)とはAssociation of South‐East Asian Nationsの頭字語で、広範に及ぶ急成長中の多言語市場を擁する10カ国が参加しています。参加国を、以下に国別コードで表現してみました。記事の最後に参加国のリストを記しておくので、国別コードだけでどれだけ類推できるか、試してください。
最近、Nielsenが発行したレポート『Rethinking ASEAN(ASEAN再考)』には、次のようにあります:
......ASEANのうち人口が50万から500万の地域は、高い確度で次に成長が見込まれている地域ですが、これは広く信じ込まれている、ジャカルタやマニラ、バンコクといった大都市だけが成長を牽引するとの説に異を唱えるものです。
以下に引用する興味深い図は、重要なデータをいくつか視覚化したもので、より小さな市場(そしてその市場が位置する地域)ほど、より大規模な市場にみられるより急速な成長を遂げていることを示しています。アジア進出を計画するなら、規模の大きな市場(や都市)のその先を考えるのは悪いことでは無い、とも言い換えられます。
Webのローカライゼーションの視点からすると、過去数年にわたり、これらの国に対するかなりの投資を私はみてきました。グローバルブランドのサイトにみられる新興のアジア言語を3つについて、以下のグラフを2017年版Webグローバリゼーション・レポートカードから紹介します。タイ語は今や、すべてのグローバルブランドの半数以上のWebサイトで使われています。
成長の余地は、まだまだあります。マレーシア語やピリピノ語は、ほとんどのグローバル企業でまだサポートされていません。向こう数年のうちに、この状況が変化するのは間違いないでしょう。
ところで、国別コードからあなたは何カ国を言い当てられたか、答え合わせをしましょう......
ASEAN加盟国
- .BN:ブルネイ・ダルサラーム国
- .KH:カンボジア王国
- .ID:インドネシア共和国
- .LA:ラオス人民民主共和国
- .MY:マレーシア
- .MM:ミャンマー連邦共和国
- .PH:フィリピン共和国
- .SG:シンガポール共和国
- .TH:タイ王国
- .VN:ベトナム社会主義共和国