英語さえサポートすればインドで成功できるとお考えなら、再考を
(この記事は、2018年5月21日に公開された記事「Think you can succeed in India supporting English only? Think again.」の日本語訳です。)
#serveinmylanguageは単なるハッシュタグではなく、一種の社会運動であり、そしてそれは拡大中です。
インドの消費者のあいだでは、ビジネスにおいて母語をサポートするよう企業に求める動きがあります。
Times of Indiaの記事曰く:公的およびプライベートな銀行の多くは、インド人が22の主要な言語と720の方言を扱っているにもかかわらず、ATMから預金伝票、引き出しフォーム、コールセンターに至るまで、サービスを顧客に提供するのにヒンディー語と英語だけで十分であると考えています。
この記事は銀行業界に特化したものですが、これはより大きな何かの始まりであると言って良いでしょう。言語の視点からみて、インド向けのWebサイトはまだまだ十分とは言えません。
2018年版Webグローバリゼーション・レポートカードにおいて記したように、ヒンディー語をサポートしていたグローバルWebサイトはたった7%に過ぎず、ウルドゥー語やタミル語はさらに少数です。Nielsenが2017年に行った調査によれば、インドのインターネットユーザーの68%が、英語よりも自身の母語で書かれたコンテンツのほうが信頼できると考えています。Facebookはおそらくこれを理解しているのでしょう、同社はインドの公用語の半数以上をサポートしています。だからこそ、Facebookが今やアメリカ国内より多くのユーザーをインドで獲得していることは、驚きに値しません。
幸い、インドの銀行のいくつかは、より多言語になりつつあります。Times of Indiaの記事には次のようにあります:
ICICI銀行、Axis銀行、Kotak Mahindra銀行といったプライベート銀行は、オンラインバンキング戦略においてますます、多言語対応に注力しつつあります。「例えば、Kotak Bharatアプリは、ファイナンシャル・インクルージョンが目的のアプリです。ユーザーはヒンディー語、英語、グジャラート語、マラーティー語、タミル語またはカンナダ語でもって、送金や携帯電話へのチャージ、保険の購入などができます。他の地域の言語も取り扱うようアプリを発展させる予定です。」と、Kotak Mahindra銀行のチーフデジタルオフィサーであるDeepak Sharma氏は述べています。
以下に示す、私が最近作った国際化ドメイン名のポスターからの抜粋でお分かりのように、インドは言語や文字の多様性が顕著なところです。
結局のところ、言語とは単なる手段にとどまらず、敬意のあらわれなのです。
言語に投資する企業というのは、顧客に投資しているのみならず、自らの将来に投資していると言えるでしょう。