運転席へようこそ:サウジアラビアにおける女性運転解禁を歓迎する自動車メーカーの取り組み
(この記事は、2018年7月12日に公開された記事「Welcome to the driver's seat: Which automakers are doing the best job of welcoming female drivers in Saudi Arabia」の日本語訳です。)
サウジアラビアで女性の運転が法的に解禁されてから1ヶ月が経ちましたが、これを機に誕生した大量の新規顧客を各国の自動車メーカーがどれだけ歓迎しているか、私は知りたいと思いました。
多くの自動車メーカーのサウジアラビア向けWebサイトを調べるのに時間を費やし、その結果をすべて2018年版Webグローバリゼーション・レポートカードに含めました。
目下、グローバルな自動車メーカーにおける歓迎の動きは悠長で、のんびりし過ぎていると思います。
しかしここで注目に値する企業を2社、紹介したいと思います。FordとAudiです。
少しだけ背景を書きますと、私がWebグローバリゼーション・レポートカードで調査した自動車メーカーの半数以上は、今やWebサイトでアラビア語をサポートしています。また大抵の自動車メーカーは、一部ないしほぼ全てのコンテンツをサウジアラビア向けにローカライズしたWebサイトを運用しています。
FordとAudiの話に戻りましょう。
Fordは以下に示す通り、とても魅力的なトップページを公開しています:
見出しには「あなたがドライバーです。運転席へようこそ。」とあります。
そしてその下にあるリンクをたどると、以下のような女性ドライバーの画像を目にすることになります:
AudiのWebサイトもまた、太字で「歴史はたびたび書き換えられてきました。今回は車の運転についてです。」という歓迎メッセージを掲載しています。
リンクをたどると、家を出てAudiに乗り込む夫婦の姿を映し出す動画が現れます。そこで夫ではなく妻が運転席に収まるのを目にするのです。世界中の他の地域において、これは決して珍しいシーンとは言えないでしょう。しかし、サウジアラビアでは状況が異なります。
Audiはまた、試運転を申し込むフォームへのリンクも設けています。これは良い取り組みです。
FordやAudiの他にも、潜在的にドライバーが倍増したことへの対応として前向きな事例が、わずかながら認められました:
- Volkswagenは、後部座席に同乗者を乗せた女性ドライバーにフォーカスしたテレビ広告を打ち出しました。
- Mercedesは、Mercedes Sheと呼ばれるグローバルキャンペーンを打ち出し、中東地域の女性向けにローカライゼーションをいくらか取り組んでいますが、私は十分ではないと考えています。
- SubaruとToyotaは、女性ドライバーを歓迎するのにソーシャルメディア上で活発です。以下に示すのはTwitterやInstagramでの取り組み事例になります:
この記事で言及しなかった自動車メーカーは、控えめに言っても、新規顧客を歓迎する取り組みを十分に進めているとは言い難い状況です。そして私には、この状況をメーカー自身が認識していないように思えます。Webのローカライゼーションとはすなわち敬意であり、それは言語や文化、人々に対する敬意です。
自動車業界やそれ以外の業界について、Webサイトのグローバライゼーションにおけるベストプラクティスをもっと学びたいようでしたら、2018年版Webグローバリゼーション・レポートカードを活用ください。