多言語コンテンツでパートナー関係にあるGoogleとWikipedia
(この記事は、2019年1月28日に公開された記事「Google and Wikipedia: Partners in (multilingual) content」の日本語訳です。)
2008年にGoogleがKnolという名前のプロジェクトを立ち上げたことを覚えていますか?
それは、Wikipediaに取って代わることを意図されたものでした。
Knolの訪問者の多くが、すぐさまKnolを見捨てて、非営利組織が運営する情報の宝庫を好んだことを、Googleは快く思っていなかったようです。
しかしKnolは2012年にひっそりと息を引き取り、Wikipediaは幸運にもいまだ健在です。
実のところ、Google.orgはWikipediaに対し200万ドルもの額を寄付してきました。Googleにしてみれば比較的少額ではあるものの、インターネット上において最も素晴らしい偉業のひとつと私が信ずるところのWikipediaにとって、これは寛大な寄付です。
Googleは、Wikipediaがもっとずっと多くの言語に投資することを期待しています。Wikipediaは既に、例えばProject Tigerのようなプロジェクトを通じインド語群に取り組んでいます。
寄付に加えてGoogleとWikipediaは、Project Tigerを推進しています。これは、Wikipedia上のコンテンツを新たな言語で拡張する取り組みです。この先導的なプログラムによって、地域に根ざしたコンテンツ量が12のインド語群で既に増加しています。これに加えて、さらに10言語でコンテンツを拡張することがプロジェクトのゴールです。
Techcrunch
Googleの同プロジェクトへの投資が利他的に聞こえるいっぽうで、Googleは拡張で採用された新たな言語すべてに対し、新たなコンテンツを計画しています。
Googleは109の言語に対応した機械翻訳エンジンを有しています。そのエンジンが翻訳品質を向上させるには、翻訳元コンテンツと、それをターゲット言語で上手に翻訳したコンテンツの、両方が必要になります。ガンダ語やマオリ語といった言語について翻訳品質を上げるとなると、Googleはなお一層多くのコンテンツを必要とします。
そこでWikipediaの出番となるわけです。
ともあれ、Googleがそういうお金の使い方をしているのを私は歓迎します。1週間につき、少なくとも両手で数えきれないほどの回数Wikipediaを利用していますし、Wikipediaがなければインターネットは今より退屈なものになってしまうでしょう。
追伸:Wikipediaは2018年版Webグローバリゼーション・レポートカードにおいて首位でした。最新版(ただいま制作中)でも上位に位置しているようです。