サポート言語数で差をつける:30言語でも平均に満たない理由
(この記事は、2019年2月20日に公開された記事「Leading with languages: Why 30 languages is below average」の日本語訳です。)
何度かお話ししてきたように、インターネットはデバイスをつなげますが、人々をつなげるのは言語です。
そしてあなたが世界中に40億といるインターネットユーザーの話す母語について調べたなら、多くの人々とつながるには多くの言語をサポートしなければならないことを知ることになるでしょう。
実際、全インターネットユーザーの9割とつながろうと考えるなら、40以上の言語をサポートする準備をしてください。それこそは、数多くの言語をサポートする組織や企業が顧客なり会員、訪問者を伸ばす傾向にあることが驚きに値しない理由です。
Facebookは100以上の言語をサポートし、そのユーザー数は20億近くにもなります。Googleはその検索エンジンで100以上の言語に対応し、世界中(ただしロシアと中国を除く)において主要な検索サービスという地位を築いています。そして(2019年版レポートカードで首位に輝いた)Wikipediaは280以上の言語をサポートし、月間ページピューは平均で170億を超えます。
しかし、そうした一部の組織や企業を除いては、サポート言語を増やすのは容易ではなく、膨大なコストが発生し得ます。その投資は(大抵の組織にとって)長期的には十分成果に見合うと私は説明していますが、共通して耳にするのは、一体どれだけの数の言語をサポートすべきかという質問です。
ビジネスや予算、顧客、ゴールへの理解なくして、質問に答えることは困難です。
2019年版Webグローバリゼーション・レポートカードの最新データから言えるのは、世界の先進的なブランドにおいてサポート言語数が「平均で」32言語ということです。
同じWebサイトを長年にわたり調査することの長所としてAppleやMicrosoft、BMW、Philipsといった企業がどれほど多くの言語をサポートしてきたかを知るのみならず、具体的にどの言語をサポートしたか把握できます。過去2年ほどで平均サポート言語数の伸びは緩やかになっており、全体的な傾向は明らかです。企業は、グローバルにそのリーチを広げるに連れ、サポート言語を追加し続けています。例えばStarbucksは2003年には3言語を増やしただけでしたが、現在は27言語をサポートしています(そしてつい昨年には新たなローカルサイトを開設しています)。
将来、この平均値がさらに倍になると私は期待しています。まだ一握りの企業しかインドに向けローカライズをしていませんが、この国には20以上の公用語があります。例えばヒンディー語は、レポートカードで取り上げたWebサイトのたった7%でしかサポートされていません。
今年のレポートカードの冒頭に記した通り、貿易戦争や関税、メキシコとアメリカのあいだの壁が話題に上がるなかで、企業はグローバル戦略を後退させつつあるとお考えの方がいらっしゃるかもしれません。しかし、事実は異なります。
今年のレポートカード絡みの記事はまだ続きます、引き続きご注目ください!