言語の多様性を国別コードがいかに可能にしているかを示す新たなレポート
(この記事は、2019年7月8日に公開された記事「New report illustrates how country codes enable diversity in languages on the internet」の日本語訳です。)
CircleIDに投稿された記事のおかげで、私はOxford Information Labs(欧州トップレベルドメインレジストリの連合体であるCouncil of European National Top Level Domain Registries、略称CENTRから資金援助を受けている組織)が発行した新しいレポートを見つけることができました。
Oxford Information Labsは、CENTRに属するレジストリのゾーンファイルへのアクセスが与えられており、1,600万以上に及ぶ地理的ドメインで扱われている言語と国別コードについて分析することができます。
レポートによれば、個々の国別コードでホストされているコンテンツの大部分には、以下のグラフが示す通り、その地域の主要言語が用いられています:
ロシアは、国別コードとローカル言語の一致性にばかりでなく、ロシア語で書かれたコンテンツをキリル文字を使った国際化ドメイン名(Internationalized Domain Name、またはIDN)でホストしている点でも際立っています。
また、国別コードの一つである.nlを管理するSIDNは、オランダの国別コードを用いるドメインがサポートしているコンテンツの言語に関して、調査結果を共有していました。やはり、ローカル言語はよく使われています。
調査されたドメインの数を踏まえるなら、これらの知見は重要なものであり、ローカルのユーザーがローカル向けコンテンツをより見つけやすくするうえで、国別コードを使用することの価値を反映しています。IDNと同じくらい、国別コードの使用について私が長らく布教活動をしてきたのは、本Blogの読者の皆さんならご存じでしょう。
2019年版Webグローバリゼーション・レポートカードに向け私が行った調査では、調査対象となったWebサイトの半数以上が、国別コードの使用に関し平均以上の取り組みを行っています。Toyota、IKEA、Adidasといった企業は、国別コードをうまく活用しています。参考のため、以下に彼らが運営するWebサイトの一部をご紹介します。
私の調査が世界的に知られるブランドに限定しているのに対し、比較的小さな組織や個人の多くもローカル言語を用いたコンテンツに国別コードを使用していることを、CENTRのレポートは明らかにしています。
国別コードだけをもってローカル向けコンテンツが増えているとは言えませんが、国別コードがコンテンツに正しい「玄関口」を提供することに繋がり、結果としてローカル向けコンテンツの制作やホスティングが促進されると思います。
完全なレポートは20th Anniversary Paper: Diversity through localizationからダウンロードできます。
追伸:以下に示すのは、世界の240以上に及ぶ国別コードを、該当する国の位置に合わせて表示したものです。