インドでは乗るのが難しいHarley-Davidson
(この記事は、2020年11月24日に公開された記事「Harley-Davidson: Not-so-easy riding in India」の日本語訳です。)
Harley-Davidsonがインドにある工場を閉鎖し、オートバイの人気が高い同国の市場で販売を事実上停止することを知らせるNew York Timesの記事は、非常に興味深いと思います。
記事にあるように、同社のオートバイは安価とは程遠い存在です:
Harley-Davidsonのバイクは、多くの人の手が届かない状態でした。デリーでは、最上位モデルが税金とライセンス料を差し引いても8万8,000ドルを超える値段で売られています。これは世界銀行によると、インドの平均年収の41倍です。
インドの人々は、圧倒的に安く軽量のバイクを好む傾向があります。そうしたバイクは、穴が多く渋滞した道路でも操作しやすいのです。バイクやスクーターのインド国内最大手メーカーのひとつ、Hero MotoCorpの最も高価なバイクは、約1,500ドルです。
確かに、Harley-Davidsonはインドだけでなくアメリカでも、顧客基盤の高齢化に伴う課題を抱えています。同社に対し、人は多くの営業努力をしてきたと思うでしょう。代わりに同社は、将来さらなる高級化を考えているようです。
Webサイトのローカリゼーションについて言えば、同社がインド向けのWebサイトで英語版以上に現地語に力を入れたことがあったとは思えません。
インドで直面した価格設定やマーケティングにまつわる課題を、言語で克服できたとは思いません。しかし、現地語での発信にあまり投資しなかったことが、痛手にはなったように思えます。
私はよく、どのくらいの企業がローカライズしたWebサイトを閉鎖しているか質問されます。閉鎖する企業はごく一部であり、大抵はもっと大きな問題の結果として起こる、というのが決まって返す答えです。しかしHarley-Davidsonの場合、原因は同社に由来するものであり、インドにジュガール(訳注:「解決手段」といった意味をもつ、ヒンディー語やウルドゥー語、パンジャーブ語の口語)を見いだせなかったということでしょう。
Webサイトのローカリゼーションや言語のトレンドについては、Webグローバリゼーション・レポートカードをご利用ください。